3D印刷で抗ウイルス製品開発へ 山形大、カナダ政府が事業採択

2021/1/21 14:42
プロジェクトを説明する山形大のアジット・コースラ助教=米沢市

 山形大は20日、同大のアジット・コースラ助教とカナダのサイモンフレーザー大学が取り組んでいる3Dプリンターを活用した抗菌、抗ウイルス製品を生み出すプロジェクトに対し、カナダ政府が公募事業に採択したと発表した。期間は半年間。光を当てると病原菌やウイルスの増殖を阻害する化学物質を混ぜた材料で3D印刷し、防護服やフェースガードなど個人用保護具の開発を目指す。

 同日、米沢市の同大工学部で開かれた学部長記者懇談会で説明した。アジット助教はインド出身で、ハイブリッド材料や3D印刷分野が専門。2015年から同学部で研究を続けている。

 サイモンフレーザー大と山形大工学部は2016年9月、相互連携に関する覚書を締結。両大学が得意とする分野を融合し、18年には今回のプロジェクトの基礎となる技術を開発した。現在はアメリカに特許を出願している。

 基礎となる技術はアンモニアガスに反応して色が変わる蛍光物質を3Dプリンター用の材料に混ぜて成形し、アンモニアガスセンサーを作る仕組み。3Dプリンターで抗菌、抗ウイルス製品を生み出すプロジェクトはこの技術を応用する。

 3Dプリンターを使用するメリットとして、山形大大学院の古川英光教授は「新型コロナウイルス感染症で大量のフェースガードが必要になった際、すぐに大量生産することができた。材料さえあればすぐに対応できる利便性が、長引くコロナ禍の時代に求められる要素だ」と述べた。

 アジット助教は「多くの分野の専門知識を融合する必要がある。人の役に立つ研究ができてうれしい」と語った。

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