南陽市議の当選「無効」 仙台高裁判決、生活の本拠認めず

2021/1/21 09:27

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 2020年3月の南陽市議選を巡り、当選した新人候補が同市に住んでなかったとして、落選した元市議の山口裕昭氏(55)=若狭郷屋=が県選挙管理委員会を相手に当選無効を求めた行政訴訟の判決が20日、仙台高裁であり、上田哲裁判長は「住所要件を備えていたとは認められない」として当選無効を言い渡した。

 当選無効とされたのは、小松武美氏(61)=小岩沢。当選の効力に関わる訴訟は高裁が一審となる。県選管は「判決内容を確認した上で、上告するかどうかを決めたい」としている。

 小松氏は19年11月21日に高畠町の自宅から、南陽市の実家に住民票を移した。公選法は市議選の被選挙権を得るには3カ月以上、市内に住むことが必要と規定しており、19年12月22日から投票のあった20年3月22日まで、小松氏の「生活の本拠」がどちらにあったのかが争点になった。

 上田裁判長は判決の中で、南陽宅と高畠宅の電気使用量から「(投票前3カ月の)中盤以降になって、徐々に生活の本拠を南陽宅に移したという見方と整合的」と指摘。さらに▽年末年始はほぼ全日、高畠宅に宿泊▽郵便局への転送届が未提出▽南陽宅に自分の表札を出していない―点などを列挙し「南陽宅が生活の本拠と認めるに足りる証拠はない」と結論づけた。

 同市議選は定数17に対して18人が立候補し、小松氏は14番目の票を得た。唯一落選した山口氏が選挙後、市選管と県選管に当選無効を申し立てたが棄却され、提訴した。山口氏は法定得票数に達しており、小松氏の当選無効が確定した場合、選挙会を経て繰り上げ当選となる。

 山口氏は山形新聞の取材に対し「(小松氏に居住実態があったと判断した)市選管や県選管には高裁の判決を重く受け止めてほしい。自分の主張が初めて認められた形だが、長かった」と語った。

 一方、当選無効の判断を受け、小松氏は「明らかに市内に居住しており、当然、判決は納得いくものではない。県選管の対応を見守るとともに(証言や証拠の提出など)求められることがあれば全面的に協力する」と述べた。

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