DV被害、一人で抱えないで 県内、コロナ下の増加懸念

2021/1/20 09:03
相談者に寄り添い、アドバイスする永田悠芽さん=山形市・上町カウンセリングオフィス

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、経済的不安や外出自粛でのストレスから、配偶者や交際相手への暴力(ドメスティックバイオレンス、DV)の被害増加が懸念されている。内閣府によると、2020年の相談は全国的に19年よりも増えており、県や相談機関は「自分だけで解決しようとせず、すぐに相談してほしい」と呼び掛けている。

 県配偶者暴力相談センターに寄せられた過去5年間の相談件数は年々増加傾向にあり、2015年度の386件に対し、19年度は615件となっている。県子ども家庭課によると、相談者は特に女性が多く、7~8割が配偶者からのDVだという。県が19年に行った調査では、人格を否定するような暴言など「精神的暴力」を受けた人が最も多く12.2%。次いで「身体的暴力」が9%、生活費を渡さないといった「経済的暴力」が3.5%などだった。全国のDV相談件数は昨年4~7月、前年同月の約1.4~約1.6倍で推移している。

 山形市上町1丁目で上町カウンセリングオフィスを開く臨床心理士の永田悠芽(ゆめ)さんは、以前よりもDV被害に関する依頼は増えている印象を持つ。その理由に「DVの認知が広まったことに加え、新型コロナによる経済的不安などが間接的に影響しているのではないか」と分析する。「精神的暴力」は周囲だけでなく本人も気付きにくい。永田さんは「自分で解決しようとするのではなく、家族や友人、相談機関など第三者の意見を取り入れることが解決への糸口だ」と強調した。

 県内では昨年9月から10月にかけて、東根市の男が交際女性に暴行を繰り返し、3回にわたり逮捕された。男はいずれも飲酒した状態で、女性と口論に発展し、髪の毛をつかむなどの暴力を振るったという。県によると、昨春にはDV被害者から「特別定額給付金を受け取りたいが、世帯主に申請を頼めない」といった相談が相次いだ。

 県は相談機関の連絡先が記されたリーフレットを学校やコンビニに配置しているほか、県のホームページやフェイスブックでも紹介。高校や大学で出張講座を開くなど、若年層にもDVに関する認識を広めている。県子ども家庭課の高橋幸子課長補佐は「身の危険を感じる前に、支援センターに通じる全国共通短縮ダイヤル『#8008』に連絡してほしい」と呼び掛けている。

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