第70回全国高校スキー大会の県予選会を兼ねた第72回県高校スキー大会は13日、上山市の坊平高原クロスカントリー競技場で距離の男女リレーを行い、男子40キロは新庄北が1時間59分24秒3で2連覇し、女子15キロも新庄北が49分21秒5で4年連続の頂点に立った。
17日には山形市のアリオンテック蔵王シャンツェと同競技場でジャンプと複合が行われる。
勝負強いアンカー、鮮やか逆転―男子
アンカーが鮮やかな逆転劇を演じた。距離男子40キロリレーで新庄北が新庄南金山との一騎打ちを制して2連覇を遂げた。序盤から先行を許し、2走のフィニッシュ時点で約1分50秒差を付けられたが、後半の奮起で劣勢を挽回。トップを奪還した最終走者の渡部悠は「逆境を楽しむことでいい走りができた」と勝負強さをのぞかせた。
出だしから大きくリードされ、チームとしては予想外の展開となった。前回の全国大会にも出場した1走小林暖大、2走岸益幹が「反省の多い内容だった」と振り返るように、レース前半は波に乗れず、苦戦を強いられた。
それでも、チームに諦めの気持ちはみじんもなかった。3走鈴木竣介は「厳しい展開だからこそ、いつも以上に落ち着くことを意識した」。1分弱にまで差を縮める力走で「あとは頼んだ」と最終走者にリレーした。
「差は大きかったが、勝利への自信はあった」と渡部。中盤までの上り坂を勝負どころとしてじわりと詰め寄り、下りでスピードに乗り一気にレースをひっくり返した。その後は独走態勢に入り、終わってみれば1分48秒差を付ける完勝だった。
ヒーローは「1、2走の悔しさが分かるからこそ、自然と力が宿った。チームのために役割を果たせたことが何よりうれしい」と達成感をにじませる。メンバー唯一の3年生の小林は「後輩たちに助けられた。もっともっと自分を磨き、全国では絶対に恩返しする」と力を込めた。
先手必勝、エースけん引―女子
距離女子15キロリレーで4年連続の栄冠をつかんだ新庄北は、1走大場友咲が引っ張った。得意のクラシカルで2位に50秒以上の差をつけてリレーし、高い地力を示した。ヒロインは「強敵相手だったが、リラックスして本来の力を出せた」と表情を緩めた。
レース前、飛ばさずに相手の出方をうかがうか、出だしからハイペースを貫くかで思案した。エースが出した答えは後者。「自分がどれほどの差を付けられるかに勝負は懸かっている」。課題だった下半身の力を強化したことも強気のレースを後押しし、きつい上り坂も迷わずに攻めて「思った以上のリード」でチームに勢いを呼び込んだ。
2走丹美空、アンカー落合虹は「序盤の先行を生かし、落ち着いてレースに臨めた」と口をそろえる。だが、本番はここから。3人が掲げる全国入賞に向け、大場は「全国の舞台は厳しい。悔いのない戦いができるよう、しっかり準備したい」と気持ちを切り替えた。
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