知事選、衆院選への思惑[上] 1区・遠藤氏「専念」も着々/野党、擁立至らず連動逃す

2021/1/14 11:31

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 知事選は告示から1週間が経過した。新人の大内理加氏(57)と現職の吉村美栄子氏(69)の戦いは激しさを増している。これと連動するように次期衆院選(10月21日任期満了)の立候補予定者の動きも活発化してきた。それぞれの動向を追い、見え隠れする思惑を探った。(文中敬称略)

 「大変盛り上がってきた。大きな流れをつくるため、もう一歩の努力が必要だ」。大内の選対本部長を務める衆院議員遠藤利明は11日、山形市内6カ所で開かれた個人演説会でマイクを握った。予想を上回る支持者の数、訴えに聞き入る一人一人の表情、会場に満ちた緊張感―。大内の地元であることを差し引いても感触は良かった。

 その手応えは遠藤に一つの決断を促した。急ぎ東京五輪・パラリンピック組織委員会長の森喜朗に連絡を入れる。会長代行として出席するつもりだった会合が12日に都内で予定されていたからだ。「何とかテレビ会議での出席にさせてほしい。国会開会まで地元に残りたい」。森にはそう伝えた。12日朝、大内の選挙事務所に顔を出した遠藤は東京行きを取りやめたことを明かす。その場の雰囲気が一気に変わった。

 1区内の県議は「知事選は衆院選の前哨戦。(遠藤の)メンツに懸けて勝たなければならない」と言い切る。遠藤は「目の前の知事選に専念する」とけむに巻くが、自身の選挙が視野に入っていないわけがない。

 過去3回負けなしで、特に前回は野党候補に4万票以上の差をつけて圧勝した。だが油断はない。企業団体に出す大内の推薦願には自身のチラシを同封し、実績のアピールを続ける。集まった推薦状は前回参院選よりも多い。遠藤は警戒感を強めて言う。「1区は野党系が強い。厳しい戦いを覚悟している」

 一方、野党側の候補者擁立作業は進んでいないのが実情だ。「本来なら知事選と連動して候補者をアピールしたかった」。知事選告示後、立憲民主党県連の幹部は悔しさをにじませる。

 県内の非自民系参院議員や政党組織などによる「5者会議」は、立民県連を軸に1区の候補者選びを進めてきた。昨年10月には旧立民と旧国民の合流に伴い、新立民県連が発足。12月の設立大会で候補者を披露し、知事選と併せて準備を加速させる戦略を描いた。しかし、複数人に打診したが実現に至らず、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、大会そのものの延期を余儀なくされた。

 引き続き選定を進める考えだが、今は知事選への対応で休止状態となっている。県連幹部も「想定からは、ずれてしまった」と作業の遅れを認める。それだけに知事選の勝利で弾みをつけたいとの思いは強く、「まずは知事選に集中する。全てはこの選挙が終わってからだ」とする。

 共産党県委員会は野党共闘を視野に5者会議の動向を注視しつつ「候補者が決まらない状況が続けば、こちらで出す選択肢もある」と含みを持たせている。

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