鶴岡市の致道博物館にある多層民家「旧渋谷家住宅」で12日、冬の風物詩「民家の火たき」が始まった。かやぶき屋根を守る作業とされ、いろりから上る煙を古民家内に充満させている。
担当者2人が午前10時からいろりを囲み、火の勢いを見ながらそっとまきをくべた。煙が立ち込める静かな室内。いろりに掛けられた大鍋ではふつふつと湯が沸き、時折ぱちりと火の粉のはぜる音が響いた。
国指定重要文化財の旧渋谷家住宅は1822(文政5)年に現在の同市田麦俣に建てられ、1965(昭和40)年に移築された。同博物館によると、火たきはかやぶき屋根に潜む虫をいぶり出して駆除するほか、建材を結ぶ縄をすすで丈夫にするとされている。3月上旬まで毎週火・土曜に行われ、見学もできる。
|
|