成人の日の11日、20歳を迎えた天童市の双子の姉妹、土屋美羽(みう)さん、礼美(れみ)さんが華やかな振り袖で着飾り、記念写真に納まった。前日10日に開かれる予定だった同市の成人式は新型コロナウイルスの影響で急きょ中止となり、2人きりでの晴れの日となったが、互いの姿に笑顔を輝かせていた。
同市の「新成人を祝う会」は市民文化会館で予定されていたが、昨年12月23日に中止が決まった。代わりに市は、動画投稿サイト「ユーチューブ」で、市長や成人代表、恩師のメッセージをオンラインで配信することにした。
美羽さんは現在、看護師を目指して横浜市の専門学校(3年課程)に通っている。成人式への参加を楽しみにし、中止の決定には「ショックだった」。一方、礼美さんは天童市の羽陽学園短期大を3月に卒業予定で、保育士として新たな一歩を踏み出す。「2人で写真に納まるなら今しかない」。美羽さんは天童に26日に戻る前後、2度のPCR検査を受けた。
この日は市内の呉服のささきで着付けをしてもらい、それぞれ水色、紫を基調とした振り袖姿に。近くのスタジオで写真撮影に臨み、寄り添ってピースサインやポーズを決めた。昨秋に一人で前撮りをしていたという礼美さんは「1人と2人では全然違う。うれしさが倍増した」と満面の笑み。傍らで2人を見守っていた母の春子さん(41)は「生まれたとき小さかったので大変なこともあったけど、あっという間だったかな。無事に就職、最後の学生生活を送ってもらいたい」と目を細めた。
一方、この日、山形市の呉服店では手づくりの成人式をオンラインで行い、新成人3人が親への感謝の言葉や抱負を語った。呉服店専務の布施将英さん(48)は「成人の日に県内で一つも成人式が行われないのはかわいそうだと思って企画した。喜んでもらえてよかった」と話していた。
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県内では山形市など7市町が例年1月に成人式を行っているが、今年は新型コロナウイルスの影響で延期または中止となった。例年お盆期間に成人式を実施し、1月に延期するとしていた自治体も再延期または実施日を未定としている。
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