“トラックみこし”願いは不変 高畠、コロナ下のわらじみこしまつり

2021/1/10 22:25
わらじをトラックに乗せて巡行する大日如来尊保存会のメンバーら=高畠町

 高畠町の冬の風物詩「大日如来わらじみこしまつり」が10日、高畠地区で行われた。今年は新型コロナウイルス感染対策のため、さらし姿の担ぎ手が豪快に冷水を浴びる場面はなかったが、伝統を途切れさせないため、わらじを車の荷台に載せて巡行した。“トラックみこし”でも込める願いに変わりはない。

 「さみしいなぁ」。みこしのスタート地点となる龍寿院前に用意されたトラックを見つめ、関係者たちは口をそろえた。例年なら町内外からさらし姿の担ぎ手が集まり、通りは熱気にあふれる。沿道には見物客やカメラマンが、身動きがとれないほど並ぶ。コロナ禍の中では難しい、「密」こそが醍醐味だ。

 氷点下2.5度にまで冷えた午後3時。保存会の勇壮な曲を流した先導車に続き、重さ約400キロのわらじを載せたトラックが動きだした。車体前部には「疫病鎮静祈願」と書かれた看板が掲げられ、大日如来尊保存会(皆川均会長)のメンバー約20人が法被姿で後に続いた。

 「わっしょい、わっしょい」の威勢のいい掛け声はなく、見物客が担ぎ手に掛ける清めの水も禁止だ。観衆も数えるほど。それでもメンバーたちは「疫病退散」「良い年になりますように」と一人一人に笑顔で手を振り、温かな雰囲気をつくった。近くの管野征子さん(75)は「開催の形がどうあれ、歴史が続いてくれてうれしい」と目を細めた。

 今年のわらじみこしは中止が既定路線だったが、若手メンバーの「伝統を絶やしたくない」という声で実現した。皆川会長は「やってよかった。若い衆の熱い気持ちに感謝したい」と感慨深げだ。「伝統がつながって一安心」と表情を緩めた竹田広幸さん(43)は「来年こそはにぎやかなお祭りにしたい」と、みんなの願いを代弁した。

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