害虫の致死率増加、食害稲の防御物質発見 山形大農学部、網干准教授らのグループ

2021/1/10 10:21

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 稲が食害から身を守るために起こす反応について、山形大農学部の網干貴子准教授(生物有機化学)らの研究グループは、害虫に食い荒らされた部位に「イソペンチルアミン」という化学物質が蓄積されることを発見した。害虫のトビイロウンカに与えると致死率が増加し、防御物質として機能することを確認した。稲の性質を利用し、食害を受けにくい品種の開発に結び付く成果としている。

 植物は食害を受けると身を守るために「防御応答」を起こす。一方、植物中には膨大な代謝物が含まれているため、防御応答に関わる物質の全貌は明らかになっていないという。

 研究では水稲「日本晴(にっぽんばれ)」の苗を使い、トビイロウンカに食い荒らされてからの代謝物の変化を分析した。食害の1日後、葉に含まれるイソペンチルアミンが通常の10倍以上に増大。摂取したウンカの生存率は3日後に13%低下した。

 イソペンチルアミンは一部の植物が発する匂いの成分として知られているが、健全な稲からはほとんど検出されないという。研究ではイソペンチルアミンの合成が、植物ホルモンの一種ジャスモン酸によって活性化されていることも突き止めた。網干准教授は「合成に関係する遺伝子を見つけて、食害を受けにくい稲の開発に貢献したい」と話している。

 研究は岡山大、京都大、鳥取大との共同で行った。成果は昨年10月、米国の植物科学誌「プラント、セル&エンバイロンメント」に掲載された。

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