酒販店や6酒蔵と開発、酒かす商品販売 山形の飲食店、オンラインで

2021/1/9 11:51
酒かす商品「山ノ縁」の特長などを説明する武田岳彦社長(左)と小林亮太社長=山形市・魚きがるに

 新型コロナウイルス禍で打撃を受ける山形市の飲食店が、新たな収益策としてオンラインショップで酒かす商品の販売を始めた。第1弾は取引のある市内の酒販店、県内6酒蔵と手を組んで開発した魚のかす漬け。「山形の食と酒で縁をつなぐ」との思いから、「山ノ縁(えにし)」をブランド名にした。

 酒かす商品を開発したのは市内で4店舗を展開するジョウセン(小林亮太社長)。酒類販売の北庄武田酒店(武田岳彦社長)と連携し、出羽桜酒造(天童市)米鶴酒造(高畠町)樽平酒造(川西町)月山酒造(寒河江市)秀鳳酒造場(山形市)加藤嘉八郎酒造(鶴岡市)のそれぞれの酒かすと調味料を配合したかす床に、サーモン、ギンガレイ、ギンダラを漬け込んだ。ジョウセンは魚介類販売業の許可を取得、県の新・生活様式対応支援補助金を活用し、真空包装機などの設備を整えた。

 小林社長らは、営業自粛中の昨年4、5月、落ちこんだ売り上げを補填(ほてん)するため、自らの主戦場である酒と食で何か新しいことができないか考えた。蔵元それぞれの酒に個性があるように、酒かすも味わいが違うのでは―。そんな仮説の下、今回の商品を思いついたという。相談を受けた武田社長が、酒蔵との仲介役を担った。ウェブサイトも共同で運営する。

 コロナ禍では、酒販店も苦境に陥った。北庄武田酒店の取引先はホテルや飲食店が多く、春先は売り上げが例年比で9割ほど減少した。新商品はそうした苦しみの中、生み出された。武田社長は「下を向いてしまいがちな状況で、異業種が得意なところを生かし合う新たな展開に未来を感じた」と振り返る。

 新型コロナの感染拡大は続いており、7日には1都3県に緊急事態宣言が発令された。飲食業界は再び厳しい状況に直面している。一方、「店には行けないけど」と「山ノ縁」の商品を買い求め、リピートしてくれる客もいるという。小林社長は「飲食店としての売り上げの見通しが立たない中、しっかりしたおいしい商品をつくり、広めていきたい」と意気込む。

 出羽桜酒造の仲野益美社長は「共に力を合わせて頑張ろうとタッグを組んだ。酒蔵によって酒かすは味の違いが出る。日本酒の飲み比べと同じように食べ比べを楽しんでほしい」と話している。

 魚の種類で価格が違い、3切れ入り2500円から、6切れ入り7千円から。ギフトやお祝いの場面での利用を想定している。各酒蔵の日本酒のセット販売も行う。食品館256(山形市)のLINE予約販売でも取り扱う予定。

記事・写真などの無断転載を禁じます
[PR]
おすすめニュース

県内ニュース最新一覧

[PR]