県産和牛の父「ありがとう」 種雄牛「平忠勝」、“100歳”天国へ

2021/1/5 11:10
県産和牛の父として活躍した平忠勝=2020年11月、新庄市・県畜産研究所

 種牛として県産和牛の生産を支えた「平忠勝(ひらただかつ)」が3日朝、新庄市の県畜産研究所で老衰のため死んだ。18歳で、人間だと100歳近かった。肉の質と量に優れた“質量兼備”の種雄牛としてデビューし、約10年間で10万5千本の種を提供するなど「県産和牛の父」とも言える存在だった。

 平忠勝は2002年11月16日、金山町の生産者の下で生まれた。当時、全国で抜群の市場評価を誇った平茂勝(ひらしげかつ)(鹿児島・薩摩)を父に、サシの入り具合を示す脂肪交雑が県内最高レベルだった第2まさこ(山形・最上)を母に持つ。

 種の採取は18年春で終わり、通常の種牛は処分されるが、平忠勝は功績をたたえ、特別に県畜産研究所で隠居生活を送っていた。3日未明、同研究所の職員らに見守られる中、静かに生涯を閉じたという。

 県畜産振興課の担当者は「平忠勝のおかげで県産和牛の評価が大いに高まった」と感謝し、山形牛枝肉市場流通振興協議会の栗田幸太郎会長は「画期的な種雄牛で、県産和牛の肉の量や質が向上した。『長い間ごくろうさま』と伝えたい」とねぎらった。

 一部の精液は冷凍保存され、今後も供給される。県産種雄牛は6頭となり、このうち「満開1」は平忠勝の子ども。種雄牛入りを目指す候補牛「翼満開」は孫で、血統が受け継がれている。

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