見えぬ出口…コロナ追い打ち、廃業も 山形市公設地方卸売市場の水産仲卸業者

2021/1/4 09:00
流通形態の多様化や新型コロナウイルスの感染拡大などが業者に打撃を与えている=山形市公設地方卸売市場

 取扱量の減少や流通形態の変化などに加え、新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけ、山形市公設地方卸売市場の水産仲卸業者が苦境に立たされている。魚を卸す飲食店や旅館などでの需要が減り、昨年10月には業者1社が自主廃業した。年末年始は飲食店にとって書き入れ時だが、忘新年会や帰省を控える風潮も広がり、業者は見えない出口に頭を抱える。

 同市場は1975(昭和50)年4月、市中央卸売市場として開場し、2010年4月に公設地方卸売市場に転換した。県内で唯一、青果物と水産物の両方を取り扱う総合市場として、消費者の食生活に欠かせない生鮮食料品を産地から集荷し、供給している。

 しかし、水産物の取扱量と取扱金額は1988(同63)年度をピークに減少傾向にある。2019年度は取扱量がピーク時の約21%にとどまり、取扱金額も約29%にまで落ち込んだ。産地と小売・外食業者が直接取引をする流通の増加や、魚介類より肉類の消費量が上回る近年の消費動向などが要因とみられる。

 市は流通形態の多様化や消費動向の変化に対応しようと、21年度から10年間の市場の運営方針などを示す経営戦略策定に取り組む。同市場管理事務所の担当者は「行政と業者が一丸となって市場の活性化を図っていきたい」とする。

 そんな矢先、新型コロナウイルスが市場にさらなる陰りを生じさせた。仲卸業者の売り上げ減少は昨年の政府による緊急事態宣言の後、より顕著に。管理事務所によると、当時の市場内の仲卸業者全5社は4、5月の売り上げが前年同月より3~5割超減った。以降も2割ほどの減少が続き、売り上げが前年を上回る月はなかった。

 同市場の仲卸ヤマレイは忘年会を控える風潮から飲食店向けの需要が少なくなり、12月の売り上げが2割5分ほど減る見込みだという。有海広吉社長は「コロナが収束しないとどうにもならない。このままでは今年も厳しい」と話す。一方で、一般消費者向けに市場を開放し大盛況となる毎年11月の「市場まつり」に着目。昨年のまつりは中止になったものの、「まつりを毎月開催するなど小売りも検討しながら、この難局を乗り切る策を考えていきたい」と前を向いた。

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