消防団への寄付金、何に? 舟形と高畠の読者から、お金の在り方議論の時

2020/12/30 08:31

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 山形新聞の「寄り添うぶんちゃん取材班」に、舟形町と高畠町の読者から「毎年、消防団員が各家庭から寄付金を集めている」「消防団が集落から金をもらっているが、何に使われているか分からない」との声が寄せられた。地域活動に従事する謝礼として協力金は必要との意見はある一方で、県外では、町内会から消防団への寄付の違法性を指摘した裁判所の判決や既に受け取りを禁止している自治体もあり、今後議論を呼びそうだ。

 消防団員は非常勤特別職の地方公務員で、各市町村から報酬や出動・訓練手当が支払われている。

 舟形町の読者が暮らす地区では、春の消防演習の際、団員が家庭を回り寄付を募っている。2千~3千円を協力する住民が多いという。この読者は「(寄付した)金額と世帯主を書かれた紙が公民館に掲示される。寄付金が消防団でどのように使われているかも不明」と話す。

 高畠町の男性の集落では消防団の末端組織の班が、全世帯から一律2千円ほどを協力金として徴収している。集落の総会の決議を経て、集落費から差し引かれるという。地区役員によると、同じような慣習は地区内の全集落で見られ、多い班で毎年十数万円、少なくても数万円を集めるが、住民に対する会計報告などは目にしたことがないという。

 消防団が自治会・町内会から寄付金を受け取る行為については、2010年に横浜地裁が「本来業務のほか、本来業務との関連が疑われる活動について、慰労などの趣旨で直接寄付金を受領することは違法となる余地がある」との判断を示した。消防組織法に抵触する恐れがあり、佐賀県唐津市のように寄付金の受け取りをやめさせる自治体も出てきている。

 一方で、消防団は地域行事の警備や設備の清掃、除雪などの地域活動をボランティアで担っており「謝礼として協力金は必要」(高畠町の別の町民)と考える人も少なくない。舟形町の90代女性は「団員には地区の行事で世話になっているので(寄付金は)当たり前」とし、同町の60代男性は「報酬は微々たるもの。誰も好きで消防団になる人はおらず、寄付金を禁止することで団の活動を維持できなくなることの方が怖い」と話す。

 舟形町は取材に対し「町内会費に消防経費を含めて徴収している地区があることは把握している」とした上で「対応を検討する余地がある」とする。高畠町は「金銭を受け取っている班には集落側に会計報告するよう指導を徹底する」としている。

 地域の防火・防災活動を担っている消防団。高齢化や職業の変化に伴って団員確保が課題となる中、団員の報酬や地域からの協力金など、消防団にまつわるお金の在り方も新たな懸案になっていると言えそうだ。

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