検証・モンテ2020(上) 堅守速攻からの転換

2020/12/22 12:31
陣形変更後、トップ下の位置で存在感を示したMF南秀仁=10月18日、天童市・NDソフトスタジアム山形

 サッカーJ2・モンテディオ山形は、石丸清隆監督を新たに迎えた今シーズンを終えた。過密日程など例年と異なる環境下で全42試合を戦い、通算成績17勝11分け14敗の勝ち点62とし、最終順位は22チーム中の7位だった。陣形変更を機に攻撃を持ち味とするチームに変貌を遂げたが、要所での決定力不足などが響き、J1昇格には届かなかった。今季の戦いぶりを検証し、今後の飛躍の鍵を探る。

 就任当初に「攻守ともアグレッシブに戦う」と宣言した石丸監督は、自陣から短いパスをつなぐビルドアップ(組み立て)を戦術の柱とした。序盤は8試合未勝利と低迷したが、4バックへの陣形変更が転機となり、持ち味は昨季の堅守速攻からパスワークに変わった。ぶれない戦い方を意識づけるため、指揮官は要所で「ボールは武器」という言葉を用いた。

 石丸監督は続投決定後に一つの悔いを挙げた。「自分のやりたいことと違う方向性でスタートしてしまった」。守備重視と言える昨季同様の陣形3―4―2―1で序盤戦を戦ったことだろう。守備時は5バックに変化するため、重心が後ろになりがちで、連係の質は上がらなかった。白星から長く遠ざかった第10節京都戦で荒療治を施した。配置のバランスが良い4―4―2に変更。結果は敗れたが、戦い方はようやく定まった。

 山形のパス回しは「距離感」が重要だ。ボランチの1人がセンターバックの脇に下がり、左右サイドバックを押し上げる。狭いエリアで数的優位の状況を必ずつくり、相手を動かし守備組織のずれを突く。ボールを保持することで反撃の機会を与えない。そのまま前進してゴールを奪うことが理想で、故に「ボールは武器」と言った。

 一方で技術が伴わなければ自陣でのミスから窮地に陥るリスクを抱える。実際に失点に直結したDF陣のミスはあったが、スタッフは基本的にその姿勢を肯定した。今季初の3連勝を決めた第27節愛媛戦でMF中村駿は「ミスしたとしても、ずっとやり続けて来たからこそ今日の結果にもつながった」と手応えを示した。

 4―0で勝利した第29節東京V戦は、持ち味の成長を示した一戦だった。主力のFW山岸祐也が移籍で抜けた後、トップ下を配置する形に変更。MF南秀仁らを軸にパス回しで主導権を握り、得点を重ねた。一方で成熟の度合いはまだ低い。ハイプレスで圧を掛けるチームに弱さを見せた。連係で自陣を抜け出せば、一気に好機につながるはずだが、パスは後ろに向かうばかり。相手の動きを察知した上での個々の判断は、来季への課題として残った。

記事・写真などの無断転載を禁じます
[PR]
おすすめニュース

県内ニュース最新一覧

[PR]