努力奏功、サケの回帰率好調 県内、遡上が最盛期

2020/12/11 13:31
サケの遡上が好調に推移している枡川鮭漁業生産組合=遊佐町

 サケの遡上が最盛期を迎えている県内で、回帰率が好調に推移している。中でも遊佐町の枡川、箕輪の両鮭漁業生産組合では先月中旬以降、昨年比で2倍以上となっている。庄内沖の定置網によるサケ漁も良好で、関係者は回帰率向上の取り組みが奏功している可能性があるとみている。

 県鮭人工孵化(ふか)事業連合会によると、同町月光川水系の滝淵川でサケの捕獲、ふ化を行っている枡川鮭漁業生産組合では、先月の11~20日の回帰率が昨年比で295%、21~30日は235%となっている。牛渡川で行っている箕輪鮭漁業生産組合も11~20日が251%、21~30日は201%と、いずれも好調。

 県内全体でも、11~20日は194%、21~30日は219%となっている。海の定置網漁でも、先月30日現在で昨年同期比192%の7万2071匹が漁獲されている。同連合会の桂和彦参事によると「県内全体で回帰率向上の取り組みを進めており、過去5年で一番いい状況で推移している」という。

 特に、11~20日の回帰率が昨年比の約3倍となった枡川鮭漁業生産組合は、2017年にふ化場の養魚池を新たに整備し、サケの扱いも改善。サケは母川に3~5年で帰ってくるとされ、今年はその成果が期待されていた。同組合は脂乗りが良い希少なサケで、滝淵川に帰る途中、オホーツク海の北海道沿岸の定置網で取られる「メジカ」の里。この縁で交流ができた先進地・北海道の北見管内さけ・ます増殖事業協会の技術協力を得て、採卵時などのサケの扱いを変え、養魚池を整備した。

 「採卵時は、サケの頭部を棒でたたくが、なるべく傷付かないようにし、出血を抑えた。丁寧にサケを扱い、養魚池もより自然に近い環境にし、丈夫な稚魚が育つようにした」と尾形修一郎組合長。たたかれた衝撃で傷付いたサケの血が卵に混ざると、ふ化に影響を及ぼすとされる。丈夫な稚魚を多く放流できれば、母川を出てオホーツク海、ベーリング海を経て戻ってくるまでの約2万キロの回遊に耐えられるサケが増えるからだ。

 尾形組合長は「来年も好調であれば、これらの成果が出たと言えるかもしれない。まずは良い兆候で、より多くのサケが戻ってこられるよう、この取り組みを続け、さらに技術を向上させたい」と話した。

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