樹氷木、枯死収束の兆し 蔵王「アオモリトドマツ」再生へ植栽データ収集急ぐ

2020/12/4 09:34
害虫の被害で枯死したアオモリトドマツ=10月、山形市・地蔵山頂駅周辺(山形森林管理署提供)

 山形市の蔵王山に広がる樹氷の木「アオモリトドマツ」が害虫の食害で枯死している問題で、山形森林管理署による今夏の調査で、新たな枯死木が確認されず、被害拡大は収束しつつあることが分かった。状況が落ち着いており、今後は樹氷林の再生に向けて、現地で進めている植栽試験などのデータ収集を急ぐ。

 仙台市で3日に開かれた山形、宮城両県合同の検討会で、同管理署が説明した。調査では前年同様、蔵王ロープウェイ地蔵山頂駅から樹氷高原駅までの調査地点9カ所で被害状況を調べた。山頂駅周辺の枯死木の一部で枝折れや樹皮の剥落が見られるが、被害区域全体で大きな変化はないという。

 枯死の原因となるトドマツノキクイムシは体長1~3ミリ程度で、もともと健康な木には付きにくい。アオモリトドマツはかつて、大量発生したガの幼虫に葉を食い荒らされており、樹勢が弱ったところにキクイムシが入り込んだとされる。弱った木の大半が既に害虫の被害に遭ったとみられ、結果的に拡大が収まった可能性がある。

 一方、被害が少ない標高が低いエリアで採取し、山頂駅周辺に試験植栽した自生苗は順調に育っているという。同管理署は育苗試験にも着手し、稚樹をポットで育てた場合の生育具合を確認している。自生苗は数が少なく、十分な量の確保が課題となっており、ポットでの育苗が順調に進めば、より効率的に移植できるようになる。

 検討会では、東北森林管理局森林整備部の間島重道部長が「被害については明るい兆しも見えてきたが、決して油断はできない」とし、再生に向けて試行錯誤しながら「両県の大事な宝物を何とか守っていきたい」と述べた。

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