特殊詐欺被害、水際対策強化中です 県内金融機関が県警と連携

2020/12/2 09:57
きらやか銀行は、70歳以上を対象にしたATM支払限度額の引き下げを張り紙で周知している=山形市・同行山形北支店

 特殊詐欺(うそ電話詐欺)の被害が後を絶たない。県内各金融機関は被害を水際で食い止めようと、県警と連携して、窓口で出金する高齢者に預金小切手を勧めたり、詐欺の可能性を確認するチェックシートを導入したりして対策を強化している。近年では、独自に高齢者の現金自動預払機(ATM)の引き出し上限額を大幅に引き下げた銀行もある。

 本県の過去5年間の特殊詐欺被害件数は年40~60件台、金額は1億~2億円余りに上り、今年は10月末現在で24件、4154万円となっている。県内では2014年10月から窓口での被害を食い止めようと、県警の呼び掛けで全銀行が「預手(よて)プラン」に取り組む。預手プランは、高齢者らが高額な現金の引き出しや振り込みをする際に用途を確認したり、宛名の人物しか引き出せない小切手の利用を勧めたりする制度だ。

 小切手は発行まで時間がかかるため、その間に冷静になって被害に遭っていることに気付くことも多い。また他の金融機関で現金を受け取るには、小切手発行元に依頼し指定口座に振り込んでもらう必要があるため、金融機関を介して手続きをする分、たとえ被害に遭っても犯人特定につながりやすいという。

 窓口職員の聞き取りも効果を挙げている。各銀行では「息子や孫から振り込みを頼まれていないか」「知らない業者からパンフレットで勧誘されていないか」などのチェックシートを示す。一つでも該当すれば警察に通報し、警察官と説得する。今年10月には川西町の銀行で、70万円の出金を依頼した70代男性にシートに沿って質問した結果、架空請求詐欺と分かった。海外への送金のために窓口を訪れる「ロマンス詐欺」阻止にも役立っている。

 県警生活安全企画課によると、金融機関が特殊詐欺を阻止した件数は15年の58件から年々減少し、19年は16件にとどまった。預手プランやチェックシート導入で金を振り込ませる犯行が難しくなり、発生件数そのものが減少しているためとみられる。

 一方、高齢者宅を直接訪ねて、キャッシュカードを盗んだ上でATMで現金を引き出す犯行が目立っている。きらやか銀行では顧客のカード詐取被害が18年度のゼロから19年度に6件と急増したことを受けて、今年3月から70歳以上を対象に、これまで100万円だった引き出し金額の上限を20万円まで引き下げた。

 こうした銀行のさまざまな対策は顧客の不便につながる場合もあるが、銀行側は「大切な預金を守るため」として、理解を求めている。

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