県部局の予算要求概要、総額6997億円 21年度・14.1%増、07年度以降最大規模

2020/12/2 08:35
山形県庁(資料写真)

 県は1日、2021年度予算編成に向けた各部局の要求概要(一般会計)を公表した。総額は6997億円で、20年度当初予算を14.1%(863億円)上回り、要求額の公表を始めた07年度以降で最大規模となった。新型コロナウイルス感染対策や7月豪雨の復旧・復興費が積み上がったことが要因。県は政府の予算編成動向などを見ながら、段階的に査定を進め、来年の県議会2月定例会に予算案を提出する。

 新型コロナ対策関連は商工業振興資金融資の預託額の増加に加え、PCR検査の公費負担、軽症者用の宿泊療養施設の確保などで計830億円程度を要求。7月豪雨関係は、公共土木施設の復旧のほか、被災河川の整備計画策定などを含め約31億円を見積もった。

 人件費は20年度当初比0.5%減の1538億円と想定。公共事業は東北農林専門職大学(仮称)の建設費や道路施設長寿命化対策事業費などで515億円を計上した。単独事業は庄内総合高特別教室棟の改築など273億円を見込んだ。

 県財政当局は政策予算について、ポストコロナを見据えた事業内容の見直しを各部局に要請。一方、施策展開特別枠として(1)デジタル化(2)移住・定住の促進(3)雇用の創出・起業の促進(4)女性の賃金向上―に取り組む事業に所要額を要求できるとした。特別枠を活用した事業には六つの新規事業(計12億1千万円)が並んだ。

 このうち、最も件数が多いのがデジタル化の取り組み。農林水産部は「みんなが使えるスマート農林水産業」の実現に向け、大規模なデジタル技術の実装に1億3千万円を見込む。人工衛星を活用した画像による県産米「つや姫」の生育診断、衛星利用測位システム(GPS)を活用した放牧管理システムの導入実証などを予定する。県教育委員会は山形方式デジタル授業の推進に向けて1億9500万円かけ、プロジェクターなどの情報通信技術(ICT)環境整備を進める方針だ。

 産業労働部が要求した雇用創出・起業創業促進、女性賃金向上推進事業(7億9800万円)は、デジタル化、雇用・起業、女性の賃金向上に絡む施策。人工知能(AI)技術を学ぶ県内高校生の育成支援などを進める一方、山形駅近くに起業・創業のワンストップ窓口となる拠点を開設、女性就業環境などをPRするウェブサイトの新設などを進める考えを示した。

 移住・定住関連では、みらい企画創造部が関係人口の拡大を目指し、ワーケーションなど山形での多様な移住・滞在スタイルの実践や人的ネットワークの形成に向けて2900万円を要求している。

県教委、新聞活用支援に939万円―効果向上へ手引作成方針

 県が1日公表した2021年度予算要求概要で、県教育委員会は「新聞を活用した教育活動への支援」として939万円を盛り込んだ。

 小中学校を対象に市町村の新聞購入経費の半額を補助する取り組み。郷土愛の醸成や読解力の向上を目的に17年度から行っており、20年度は34市町村の小学校152校402学級、中学校70校560学級で活用した。21年度も同程度の学校・学級数を見込んでいる。

 県教委が各市町村から報告を受けた本年度の実施状況によると、新型コロナウイルス禍で授業時間の確保が難しい中でも活動を継続し、児童生徒の郷土に対する関心・理解の高まりや情報を活用する力の向上に成果があった。

 県教委は今後、各学校でより効果的、効率的に新聞を活用してもらえるよう、授業での活用方法をまとめた手引を作成し、子どもたちの読解力や学力向上につなげていく方針だ。

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