米沢織「透綾」、140年ぶり復活 「白根沢」社長、1年をかけ

2020/12/1 12:18
140年ぶりに復元した透綾

 米沢織を手掛ける白根沢の白根沢義孝社長(55)が上杉鷹山公時代にできた織物「透綾(すきあや)」を約140年ぶりに復活させた。通常に比べ細い糸を使うため、その名の通り布地の先が「透けて見える」仕上がり。染め、織りともに可能な限り、当時の材料や工程にこだわり、完成まで1年を要した。白根沢社長は「今後、現在の技術を取り入れ生産性を向上させたい」と意気込んでいる。

 同社は今年で創業250年。織元の中で最も古いことから「江戸や明治期に織った手法の復元を宿命と感じ、取り組んでいる」と白根沢社長。透綾もその一環で、去年の7月から作業に着手した。

 製作過程に大きな特徴がある。絹糸を染める前に不純物を取り除く「練り」の作業で、現在は重曹などの薬品が使われているが、透綾の場合はもち米のとぎ汁を使う。しかも、取り除くあんばいは「半練り」。半分は残すという。織りの工程でも、部品の一部にきり製品を使う独特のこだわりがある。もち米のとぎ汁は用意できたがきり製の部品は現代では用意できないので、竹製で代用した。

 いざ、織り始めると新たな困難にぶつかった。糸が細いので「全然進まない」。丸1日かけ、調子がいい時でも「50センチぐらい。通常の6割」と振り返る。着物を作る際、必要な反物の長さは約13メートル。「完成までは1年も掛かってしまった」と笑った。

 コロナ禍の影響で個展を開く機会がなくなったので、宮城県で開催された工芸展に出品したところ、山形県知事賞(入選)に輝いた。白根沢社長は「復元しただけで終わりにしない。生産性を高めるため、現代の技術を取り入れ、ぜひ商品にしたい」と話している。

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