県内最多の初詣客を見込む山形市の県護国神社(宮舘哲男宮司)は、境内東側の大絵馬を来年の干支(えと)「丑(うし)」に掛け替え、30日、お披露目した。東北芸術工科大(同市)の美術科日本画コース3年米田あかねさん(21)がデザイン。新型コロナウイルスの影響で閉塞(へいそく)感が漂う中、「牛のように1歩ずつ着実に良い方向に歩めるように」との願いを込めた。
同神社は地元の大学と交流を深めようと、一般頒布用の干支絵馬と、大絵馬のデザインを昨年から同大に依頼している。今年は同コースの末永敏明教授が指導する2、3年生6人が、6月から3カ月かけて原画を描いた。完成した7点から、神職とみこが米田さんの作品を選んだ。
大絵馬は幅3.3メートル、中心の高さは約1.8メートル。柔らかなピンク色の桜の下を牛が元気に駆ける構図で、足元には鮮やかな水色の川が描かれている。米田さんは「今年は困難な年だったので、流れを変えてくれるようなイメージを形にした」と笑顔を見せた。
30日は同神社で奉告祭を行い、学生や末永教授らが絵馬の奉納を報告した。権禰宜(ごんねぎ)の深瀬勉さんは「牛のように力強く踏み出せる、良い年になりますように」と語った。干支絵馬は12月1日から頒布する。
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