イノシシ被害、今年も… 山形・ジャバ周辺、芝生掘り返される

2020/11/29 13:18
イノシシによって遊具の近くまで掘り返された公園の芝生=山形市馬見ケ崎プール「ジャバ」周辺

 「今年もか…」。土が掘り返され、荒れ放題の芝生を前に男性は表情を曇らせた。管理を担当する山形市馬見ケ崎プール「ジャバ」東側の公園はイノシシによる被害で異様な光景が広がる。現場の北側に侵入防止のフェンスを設置したものの被害は拡大。市民の憩いの場でもあり、人への危害も心配される。

 市とジャバの管理事務所によると、被害があったのは遊具などがあるジャバ東側のジャバランド(広さ約7千平方メートル)や河川敷の一部で、被害面積は約2千平方メートルに上る。ミミズなどのえさ探しで芝生が深さ10センチほど掘り返され、牙を研ぐためか芝生とコンクリートの境目もえぐられている。

 イノシシはもともと日中に行動する習性を持つ。18日昼、校外学習で児童と公園を訪れていた山形市東小の佐藤卓生教諭(54)は荒れた芝生を見て、「子どもたちの前に出てこないか不安だ」と話し、引率中も周囲に注意を向けていた。

 同事務所の金子実所長によると、掘り返しは4年ほど前から発生。今年は10月2日以降に確認され、被害は拡大し続けている。公園の遊具近くにも及び、やぶから離れた場所でも注意が必要だ。

 県みどり自然課によると、県内のイノシシの推定生息数は2018年度が約7800頭で、調査を開始した16年度の約3200頭から急増。捕獲数も増えているが、頭数の増加に歯止めがかかっていない。現場付近は鳥獣保護区に指定され、わなや猟銃による駆除にも制限があるという。

 公園を管理する市公園緑地課は「11月に山際に設置したフェンスの効果など様子を見て再整地を検討する」と説明。入り口以外をネットで囲った川沿いのグラウンドゴルフ場は効果が出ているというが、「敷地全てをフェンスで囲うのも公共施設としていかがなものか」と困り顔だ。今年行った埋め直しには約50万円の費用がかかったという。

 現場周辺は散歩をする市民も多く、馬見ケ崎川の対岸には住宅地が広がる。イノシシが川を渡っているとの情報もあり、人的被害への懸念は高まっている。周辺の双月町などでもイノシシの目撃や農作物の被害が相次ぎ、市は鳥獣保護区の規制を一定の期間緩和し、一斉駆除も検討するとしている。

 イノシシは背中を見せて走ると追い掛けてくる恐れがあるため、県は、遭遇した際は、正面を向いたままゆっくりと後ずさりして離れることを呼び掛けている。鈴やラジオなどの音で人の存在を知らせることも有効という。

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