ネーティブ目線の英語ガイド、山寺に育て 「コロナ後」へ試験ツアー始動

2020/11/22 12:49
英語ガイドが在日外国人に立石寺根本中堂などを案内したトライアルツアー=山形市山寺

 「コロナ後」を見据え、県内を代表する観光地の山形市山寺地区で、インバウンド(海外からの旅行)客の受け入れ態勢強化が進んでいる。その一つが欧米豪の外国人観光客向けの英語ガイドツアー。在日外国人を対象にトライアルツアーを行うなど本格始動した。

 新型コロナウイルス感染拡大以前、山寺を訪れるインバウンド客は年々増加傾向にあった。ただ、同地区にはこれまで英語ガイドはおらず、外国人は日本語ガイドに通訳案内士を付けたり、英語パンフレットを手に観光したりするという現状だった。

 山寺観光協会にも英語を話せる常駐スタッフはいないため、元英会話講師の土産物店「ふもとや」若女将・後藤麻衣さん(35)が外国人の相談窓口となっていた。ボランティアでガイドをすることもあったという。こうした経験から後藤さんは受け入れ態勢を確立するとともに、山寺を訪れるインバウンド客が県内各地を周遊する仕組みをつくりたいと提案。同協会と「山寺と紅花」推進協議会で英語ガイドツアーを企画する運びとなった。

 こだわっているのは“ネーティブ目線”。日本語の案内文を英訳するのではなく、欧米豪の文化的背景を踏まえ、外国人が要点を理解しやすい案内文を一から練り上げた。他の県内観光地へのアクセス方法や宿泊施設なども伝えていく考えだ。ガイドは登録制とし、今後育成にも力を入れる。

 トライアルツアーは14日に行われ、青森県在住の米国やイタリア出身者ら4人が参加。ガイドは山形市の派遣社員小林雅子さん(47)が務めた。山寺に親戚がおり、「多くの外国人観光客のために自分にできることをしたい」と手を挙げた一人だ。流ちょうな英語で参加者とコミュニケーションを取りながら、立石寺根本中堂から奥の院まで案内した。

 ツアーに参加したイタリア出身のマリアテレサ・アグストさん=東京都在住=は「適切な情報や構成で素晴らしかった」と満足していた。

 同地区では山寺中の生徒が長年、山形国際ドキュメンタリー映画祭の外国人ゲストらを英語で案内する取り組みを続けている。後藤さんは「地域や英語案内について学んできた子どもたちが将来、地元で英語ガイドとして活躍できるようにもしたい」と力を込める。

 トライアルツアーは今月中にあと数回行って内容を磨き上げ、新型コロナの感染状況を見ながら来年以降に本格ツアーを開始する予定だという。

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