夜の反射材、命に直結 県内1~10月の死亡事故、歩行者全員が未着用

2020/11/21 10:54

 県内で今年1~10月、夜間に車にはねられて亡くなった歩行者全員が、夜光反射材を着用していなかったことが20日までに、県警交通企画課のまとめで分かった。今年の軽傷者と重傷者を含めた着用率も過去5年間の平均5.7%を下回る5.2%にとどまり、事故に遭った歩行者の9割以上が反射材を身に着けていなかったことになる。

 15~19年に県内で夜間に車両にはねられた歩行者は計1051人で、このうち反射材を着けていたのは60人、死者48人では1人だけだった。20年は10月末までに115人がけがをしたり亡くなったりしている。反射材の着用は6人にとどまり、犠牲になった4人に着用者はいなかった。

■高齢者注意

 日没が早まる秋冬は、特に心配されるのが高齢歩行者の事故だ。事故に遭った高齢者数は17年が79人とピークで、その後は18年が62人、19年58人と減少しており、同課は「夜光反射材が徐々に浸透し、ドライバーが早めに気付いて事故が回避されたケースがあるのではないか」と分析する。

 だが例年、日没が早まる10~12月に事故が増える傾向にある。今年の高齢歩行者の事故も4月以降1~3人で推移していたが、10月は8人に跳ね上がった。また今年は夜間の死者全員が高齢者で、過去5年間でも死者48人のうち39人を高齢者が占めている。

 日本反射材普及協会(東京)によると、夜間に下向きのライトでドライバーから歩行者が見える距離は黒っぽい服で約26メートル、明るい色で約38メートルとされている。ドライバーが歩行者を確認してから車が停止するまでの距離は時速60キロで44メートル。ブレーキを踏んでも間に合わない計算になる。反射材を着用すれば57メートル以上離れた所からでも光って見え、安全性が高まる。

 県警は、JA共済連山形から寄贈を受けた夜光反射リストバンドをモンテディオ山形の公式戦会場で配布したり、県トラック協会から寄託されたお守り型夜光反射キーホルダーを運転免許証の自主返納者に贈ったりと、他団体とも連携して夜光反射材の着用率アップと事故防止啓発に力を入れている。

■体の脇にも

 今月16日には最上町の国道47号で午後5時ごろ、道路を横断中の女性(79)がライトバンにはねられて亡くなる事故が起きた。女性は反射材を着けていなかった。県警は視認性を高めるために、体の前後だけでなく脇にも取り付けるよう勧めている。県警交通企画課の担当者は「反射材はドライバーに自分の存在を知らせるために有用で、事故を回避できる可能性が高まるアイテム。自身の命を守るために着用してほしい」と呼び掛けている。

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