高級ブドウ食害、3日連続 高畠でクマ

2020/10/29 07:37
シャインマスカットの残骸を手に肩を落とす田制裕基さん。右奥の茂みにはクマが通ったとみられる獣道ができていた=高畠町竹森

 クマによる高級ブドウ「シャインマスカット」の食害が確認されている高畠町竹森の畑で、28日にも同じクマの仕業とみられる被害があった。3日連続となり、町は近くの住民に注意を促している。

 クマが現れているのは農業田制裕基さん(33)方の園地。田制さんが最初に見つけたのは24日で、26日には食べている最中に遭遇して動画を捉えた。27日の夕方には町などの助言で残るブドウを収穫しようとしたところ、再びクマを発見。28日の朝も園地で目撃情報があった。

 田制さんは10アールで1800キロのシャインマスカットを収穫する予定だったが、計40~50キロが餌食になった。「毎年来る可能性もあり、できれば駆除してもらいたい。収穫は全て終えたが、食べる物がなくなってからクマがどう行動するか心配。何らかの対策をしなくてはならない」と不安そうに話していた。

 町は28日、箱わなの設置を許可し、地元の鳥獣被害対策実施隊が現場付近に仕掛けた。さらに付近の農家に柿なども含めた果実を早く収穫するよう防災無線で呼び掛けた。

「飽きるまで執着傾向」―専門家、冬眠前の食欲懸念

 専門家は、飽きるまで一つの餌に執着する冬眠前のクマの食欲を懸念する。

 NPO法人日本ツキノワグマ研究所(広島県廿日市市)理事長で、「熊が人を襲う時」などの著書で知られる米田(まいた)一彦さん(72)によると、クマは果実を熟したものから選んで食べる「美食家」だという。またこの時期は同じ物を食べ尽くすといい、食べ足りなければ同じような餌を求めて移動する傾向がある。

 米田さんはそう指摘した上で「犬よりも鼻がいいクマにとって、柿の実に誘われて人間の生活域に侵入するケースがある。山間部にある、未収穫の柿の実をなくしてしまうことも対策になる」と語る。

 東北芸術工科大の田口洋美教授も「クマは一定の食べ物に執着すれば独占欲を持ち、暴力的になる可能性もある」と補足。電気柵を設置したり、果実の収穫を早めたりする「地域ぐるみの対策」の必要性を強調した。

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