再出発…女将、笑顔でおもてなし あてらざわ温泉、7月豪雨被災後初の宿泊客

2020/10/22 11:41
営業再開後、第1号となる宿泊客を部屋に案内し談笑する柏倉京子さん(左)=大江町・あてらざわ温泉湯元旅館

 7月豪雨で浸水し、休館していた大江町の「あてらざわ温泉湯元旅館」が復旧工事を終えて営業を再開し21日、被災後初めて宿泊客1組を受け入れた。今週末には常連客も宿泊予定で、女将の柏倉京子さん(65)は「ここからが新しいスタートだ」と笑顔を見せた。

 最上川沿いの百目木(どめき)地区にある同旅館は7月豪雨で床上2メートルまで浸水し、館内には大量の泥が流れ込んだ。ボイラーや温泉をくみ上げるポンプは故障し、柏倉さんにとって愛着ある食器の多くを廃棄せざるを得なくなった。

 一方、7月28日の被災後10日間でボランティア計約100人の復旧支援を受け、床や壁を張り替えた上で20日に営業を再開した。柏倉さんは「たくさんの方の力があってここまでたどり着くことができた。感無量です」と顔をほころばせる。

 被災後第1号の宿泊客は、埼玉県和光市から山寺観光で訪れた無職乳深真理(ちぶかしんり)さん(67)、美代子さん(72)夫妻。この日は夕方に柏倉さんが笑顔で出迎え部屋に案内し、被災直後の状況についての質問に答えていた。

 真理さんは「あてらざわ温泉は鉄道ファンの間で有名で、いつか泊まりたいと思っていた。被災はニュースで知った」といい、「再開後第1号の宿泊客とは思わなかった。うれしい」と語った。美代子さんは「最上川を眺められてとてもいい」と、旅館からの眺望に満足した様子だった。

 今週末には、同町出身で県外在住の常連客が訪れ宿泊する予定という。柏倉さんは「今回の被災で旅館をやめると悔いが残ると思った。新たな出発点にして、前に進んでいきたい」と静かに決意を語った。

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