木の危機、「クマ剥ぎ」被害大 樹液目当てガジリ、「将来の木材」台無し

2020/10/21 09:46
クマに樹皮を剥がされたスギの木(左)と、木にクマ剥ぎ対策のシートを巻き付ける職員=小国町黒沢

 県内で今年、クマの出没が相次いでいるが、これに伴いクマが木材となる木の皮を剥ぐ「クマ剥ぎ」と呼ばれる被害も増えている。置賜森林管理署(三原隆義署長)によると、被害は約20年前から確認され、5年前からは当初に比べて倍増の傾向が続くという。そこで同署は20日、小国町黒沢の国有林で、「町内クマ剥ぎ対策検討会」を初めて開き、関係者が発生状況や対応策を学んだ。

 クマ剥ぎはクマが木の樹液をなめるため、木の皮を根元付近から下顎の歯で削り取ることで起こる被害。同署によると、主に樹木の成長が盛んな5月中旬から9月下旬に発生する。被害に遭いやすい木の種類は、スギやヒノキ、カラマツなどの針葉樹。スギの場合は、成長が良く真っすぐで、樹齢が25年以上の商品価値の高い木が被害を受けやすいという。

 被害はツキノワグマが生息する都府県で全国的に発生しており、本県では▽鳥海山▽奥羽山脈▽月山・朝日飯豊連峰―の3地域で大きな被害が発生しており、置賜地方が特に多い。1度発生してしまうと、クマが味をしめて何度も訪れ、一つの人工林エリアと仮定すれば、多いときでそのうちの8割の樹皮が剝がされてしまうという。

 皮が剥がされると、木が枯れたり根元が腐れたりするため、木材として使用できなくなる。三原署長は「スギの木を木材として出荷するには55年程度かかる。伐採直前に被害に遭ってしまうと目も当てられない」と語った。

 この日は、森林の所有者や林業従事者など約30人が参加。同署の担当者が被害状況などを説明後、木にシートやテープを巻く対策方法を実演した。シートなどをクマの目線に巻くとクマがその木に手を出しにくくなるという。同署の石田健森林技術指導官は「人が入るエリアでは被害があまり見られない。そのため根本的な対策としては山を定期的に手入れし、人間の存在をアピールすることが望ましい」と話した。

記事・写真などの無断転載を禁じます
[PR]
おすすめニュース

県内ニュース最新一覧

[PR]