山寺、サル被害が深刻化 追い払い方や電気柵、地域が一丸

2020/10/20 07:58
専用の花火でサルを追い払う方法を学ぶ住民たち=山形市山寺

 県内を代表する観光地、山形市山寺地区でニホンザルによる被害が深刻化している。畑を荒らすだけでなく、住民の生活圏や観光エリアに出没して住民や観光客を威嚇し、けがをさせるケースも出ている。同地区は本年度、市と共に住民主体のサル防除策を確立する取り組みを進めており、サルの正しい追い払い方や電気柵の張り方を学ぶ実地研修が19日、地区内の農地で行われた。

 県みどり自然課によるとサルによる県内の農作物被害額は、侵入防止柵の設置や捕獲などの対策が進んで年々減少傾向にあるが、山寺地区ではサルを含めた鳥獣による被害額が横ばいで推移している。こうした農作物被害も問題だが、むしろここ数年は、サルが登下校中の児童生徒を威嚇したり、走行する車を追いかけたりと、住民の生活上の不安が増大している。

 昨年は、門前町界隈(かいわい)でサルに威嚇された観光客が逃げる途中にけがをしたり、墓参り客が腕をつかまれ擦り傷を負ったりする人身被害も起きた。同課の担当者は「サルは日中に活動し、最初は人がいないところで農作物を狙っていたが、人里に下りる回数が増え人に慣れてしまった可能性が考えられる」と話す。

 同地区ではこうした状況から、野生鳥獣の生態に詳しい合同会社・東北野生動物保護管理センターの指導の下で7月から研修会を重ね、これまで地区の現状確認や他の観光地での事例などを学んできた。初の実地研修となった今回は住民約20人が参加し、銃声に近い音がする専用の花火やエアガンによるサルの追い払い方法を体験した。

 花火はサル出没の情報を地区内で共有する意味で発見したら必ず使用し、被害の有無に関わらず、群れになるべく近づいて発射すると威嚇効果があるという。同センターの宇野壮春代表は「1人が花火を使ったら住民みんなが続けて使わないと、サルが一時逃げるだけで終わってしまう。集落からサルがいなくなるまで追い払うやり方を、継続的に行う必要がある」と説明した。他に電気柵の正しい設置の仕方も確認した。

 山寺地区振興会の矢萩昭夫会長(74)は「これまで個別に対策をしてきたが、サルにここは危険な場所だと認識させるため、地域全体で継続して取り組んでいくことが大切だ」と話し、今後も市と共に実効策を探っていくとしている。

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