国内最古ラ・フランスの木、120年の実り 高畠、8代目園主「歴史伝えるのが使命」

2020/10/19 12:33
国内最古とみられるラ・フランスの古木(右)を大切に育てている佐藤尚利さん。今年も元気に果実を実らせた=高畠町三条目

 西洋ナシ「ラ・フランス」の生産量で日本一を誇る本県に、国内最古とされる樹齢約120年の古木が残っており、今年も上質の果実を実らせた。育てているのは高畠町三条目の佐藤尚利さん(42)で、その実はかつて皇室への献上品だった。大雪による枝折れなどのトラブルもあったが、名木は枝ぶりも元気で、本県ラ・フランスのシンボル的存在だ。

 ラ・フランスは1864年にフランスで発見され、1903(明治36)年に食用ではなく、受粉用として日本へ伝わった。県園芸農業推進課によると、本県にもこの頃に苗木が運ばれ、佐藤さんを含めた数軒の果樹農家に配られたとみられる。

 佐藤さんは江戸時代から梨を栽培する三鷹洋梨園(ようりえん)の8代目。古木は代々「日本で一番古い木」として伝承されてきた。5代目鷹次が、芳醇(ほうじゅん)な香りや甘さといった商品価値にいち早く気付き、和梨の枝に接ぎ木するなどして栽培面積を拡大した。70(昭和45)年ごろにはラ・フランスにも注目が集まった。

 佐藤さんの園地に残る古木は4本。今でも横へ横へと枝を伸ばし、ずっしりと重い実がなる。一般的な木と比べ、着果数は劣るが、樹勢は衰えていない。4本のうち、3本は過去の雪害で枝が折れていたり、幹が割れたりしたが、1本はトラブルもなく立っている。

 古木の果実は、品種改良された実と比べ、甘さや大きさではかなわないが、果肉のきめは細やかで、滑らかな舌触りは別格という。昭和後期から25年近くは皇室への献上品となり、当時は木の周りを縄で囲って外部の人が立ち入れないようにしていた。

 佐藤さん夫婦は今月14日、4本から計約1500個(約450キロ)の果実を収穫した。「100年以上前の変わらぬ味を守るためにも、新たな挑戦を重ねていきたい。ラ・フランスの歴史を伝えることが、自分の使命だと感じている」と話している。古木から採れた実は同園やホームページで販売され、一部は限定100本のプレミアムジュースとなる。

 今シーズン県内のラ・フランスは、エチレンガスによる早熟品が23日、主力の予冷品は29日に発売される。

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