山形市区県議補選、擁立の動き鈍く 来年1月24日投票

2020/10/19 11:29
知事選と山形市区の県議補選の日程を決めた県選挙管理委員会。県議補選は告示まで3カ月を切ったが、候補者擁立の動きが鈍い=14日、県庁

 次期知事選に合わせ、来年1月24日に投票(15日告示)となる山形市区の県議補欠選挙(欠員1)に関し、自民、非自民とも候補者擁立の動きが鈍い。知事選に立候補を表明した大内理加氏(自民)の辞職に伴う補欠選だが、互いにけん制し合う様子もなく、まるで息を潜めているかのようだ。背景を探った。

 自民の擁立作業が進まない要因ははっきりしている。自民系の山形市議が立候補しづらい状況にあるからだ。山形市議会の定数33のうち、佐藤孝弘市長を支持する勢力は自民系14と公明党の3。過半数を占めているものの、自民系から誰か1人が県議補選に臨むと、他会派の合計と同数になり、正副議長選や議案採決などで市政与党の強みを発揮するのが難しくなる。

 将来的に県議選を見据えているとされる市議の一人は「次の市議選に向けて別の候補者を擁立するなど、環境を整備してからでないと難しい」と補選への出馬には否定的だ。今回、市議が1人欠けても市議補選は県議補選と同日選とはならないため、市議からの出馬は現実的ではないとの見方が自民関係者の大勢を占めている。

 候補者数にもよるが、今回の県議補選は当選のために市長選並みの得票が求められることも想定される。自民の組織力を結集し、勝利したとしても、約2年後に行われる本選では、その獲得票を同じ自民系同士で奪い合うことになる。

 「それぞれ地盤がある。次の本選を見据えれば、積極的に動くのは難しい」と自民の現職県議。別の自民県議も「選挙となれば体力、労力ともに大きな負担となる。出馬に前向きな候補者がいたとしても、最終盤まで様子をうかがうのではないか」と予測する。

 市議のように核となる後援組織を持つ候補者でなければ、2年後はより厳しい戦いとなることが予想される。擁立を担う自民山形市支部の須貝太郎支部長は「新型コロナの影響で社会情勢が不安定なこともあり、なかなか難しい」と見通しが立たない状況に苦悩を隠さない。

 3月に辞職した大内氏は山形市区で2期連続のトップ当選を果たしてきたが、知事選への立候補に当たり後継は指名していない。自民県連関係者も「もともとは自民の議席。失っていいとは思わないが、今回ばかりは擁立はそう簡単ではないだろう」と見通す。

 一方、非自民側も「不戦敗は避けたい」との思いはあるものの、「ライバルづくり」になりかねない選挙を前に事情は同じだ。「自民が山形市区で(現在の)3議席のままでいいと思っているはずはない。新人を擁立するにしても議席の維持を考えると悩ましい」。非自民系の政党関係者は選挙区に漂う雰囲気をそう代弁する。ある県議は「同じ選挙区で県議が候補者を擁立するのは越権行為だ」と将来的に競合する立場になることに懸念を示す。

 さらに知事選では、自民県連が大内氏の擁立を決め、吉村美栄子知事の出馬が取り沙汰されている。知事選の対応を優先する非自民系の議員らからは「補選にまで手が回らない」とこぼす声も聞かれる。

 共産党県委員会は県議補選への候補者擁立に意欲を見せるが、具体的な動きには至っていない。告示まで3カ月を切った県都の1議席の行方はいまだ見えない。

記事・写真などの無断転載を禁じます
[PR]
おすすめニュース

県内ニュース最新一覧

[PR]