サッカーJ2は第27節最終日の18日、各地で6試合が行われた。モンテディオ山形は天童市のNDソフトスタジアム山形で愛媛を4―1で破り、今季初の3連勝とした。通算成績は10勝8分け9敗とし、順位は8位に上がった。
前半27分、FWビニシウス・アラウージョがクロスに右足で合わせて先制。同35分、FW渡辺凌磨がゴール前のこぼれ球を頭で押し込み、2―0で折り返した。後半3分、MF中村駿がミドルシュートで追加点を奪うと、同13分にはアラウージョが頭で自身2点目のゴールを決めた。同ロスタイムにCKから失点を喫した。
このほか、福岡は群馬を1―0で下してJ2史上4位タイの12連勝。勝ち点55で今季初めて首位に立った。新潟は水戸に3―1で勝ち、京都は山口に0―1で屈して3連敗。
山形は次節の21日、水戸市のケーズデンキスタジアム水戸で水戸と対戦する。
【評】山形が今季最多タイの4得点で快勝。自陣から短いパスをつなぎ、サイドを起点に好機をつくった。攻守の切り替えは速く、ボールを奪い返した後の連続攻撃で押し込んだ。敵の4バックへの陣形変更や速攻にも無難に対応。終了間際の1失点にとどめた。
短いパスから好機、テンポよく
今季4度目の挑戦で、ようやく連勝を3に伸ばした。引いた布陣の相手を巧みな連係で崩し、今季最多に並ぶ4得点。MF中村駿は「自分たちのサッカーをやり続けたからこそ、結果につながった。連勝を続けていけると思えた」と自信をのぞかせた。
流れを引き寄せた1、2点目ともに、戦術の要とした後方からのショートパスのつなぎが生きた。前半27分のFWビニシウス・アラウージョの先制点の直前、ボールを敵陣まで運び、目の覚めるようなスルーパスが通る。右サイドのDF山田拓巳は内に向かい、裏に抜け出したFW南秀仁に左足で合わせた。ゴール前に走り込んだアラウージョまで、テンポよくボールがつながった。
同35分のFW渡辺凌磨の2点目は、左サイドのスローインからMF岡崎建哉、DF野田裕喜、中村駿が絡んだ最後尾のパス交換がスタート地点に。敵を揺さぶり、MF松本怜大がフリーでクロスを送る時間をつくった。さらにこれまで本数が少なかったミドルシュートで後半3分に中村駿が得点。直近の試合ではビルドアップ(組み立て)が失点につながるミスもあったが、十分に不安を拭い去った。
攻撃面の内容に手応えをつかんだ1勝を得て、順位は今季最高の8位に浮上。中村は「点の取り方が共有できている。形になりつつある」と言葉に力を込めた。
止まらぬアラウージョ
○…FWビニシウス・アラウージョが自身初の1試合2得点、3試合連続ゴールの活躍。来日した家族に約束通りのゴールを届けた。
得点はともに左右のクロスに合わせ、アシストしたFW南秀仁とMF加藤大樹の名前を挙げた上で「全員の力で勝ち取った」と強調した。この日はブラジルから入国した妻と長女が山形で初めて観戦。手でハートマークをつくるパフォーマンスを見せ、「目の前で得点できて良かった」と喜んだ。
全体で攻めることができた
石丸清隆監督の話 相手の守備の動きなどイメージしていた戦いではなかった。崩すことは難しそうだと感じたが、背後を取りながら全体で攻めることができた。交代の選手に良さを発揮してもらいたかったが、(点差の開いた)少し難しいゲーム展開。雰囲気などに慣れるため、人数を多く使えたことは良かった。
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