アユ釣りにも豪雨被害 濁り消えぬ寒河江川、今季ほぼ終了

2020/10/17 07:43
7月豪雨の影響で水が濁ったままの寒河江川。アユ釣りができない状況が続いている=10月2日、寒河江市

 アユ釣りで知られる寒河江川が、豪雨の影響で7月末から濁りが消えず、ほとんど釣りにならない状態のまま今シーズンをほぼ終えた。これまで1日遊漁券は1枚も売れておらず、販売元の地元漁協は打撃を受けている。アユの餌となるコケも育っていないことから清流復活は不透明で、関係者は来季以降の釣果に不安を募らせる。

 最上川第二漁業協同組合によると、今年の寒河江川のアユ釣りは昨年より2週間遅い7月15日に解禁された。シーズン本番を迎えようとしていた7月下旬に記録的大雨に見舞われた。釣り場の中心となる寒河江市の道の駅寒河江チェリーランドの北側には土砂を含んだ水が流れ込み、釣りシーズンのピークとなる8月下旬まで黄土色に濁っていた。

 40年以上寒河江川で釣りを続けている寒河江市若葉町、自営業吉田旭さん(64)は「かつては清流日本一とうたわれた寒河江川が、濁ってアユが住めない川になってしまった。がっかりしている」と肩を落とす。

 濁りの一因は、上流の寒河江ダムに、月山の土砂を多く含んだ雨水が流入したことが挙げられる。国土交通省最上川ダム統合管理事務所によると、月山の土は火山性で粒子が細かいため底に沈みにくく、下流へ流れたという。同事務所は「2013年7月の豪雨では12月ごろまで濁りが続いた。今回も、きれいになるには同じくらいの時間がかかるだろう」と話す。

 漁期は今月末までだが、アユは川を下り、水温も下がったため実質的にシーズンは終了した。豪雨から3カ月近くが経過してもなお、水底の石には泥が沈着したままで、大場一昭組合長は「回復には川の掘削も必要となる。漁協だけでは対応が難しい」とする。

 さらに遊漁料が見込めないため漁協の運営は厳しくなっている。アユ釣りの遊漁券は年間券(7月15日~10月31日有効、8千円)か、当日のみ有効な1日券(2千円)がある。先月30日までに売れた年間券は8枚のみ。例年なら200枚弱が売れる1日券は16日現在、購入者が一人もいない。

 寒河江川のアユ釣り年間券の売り上げは、ピークだった1996年の1818枚から減少傾向で2019年は292枚だった。毎年約16万匹のアユを放流する費用630万円も重くのしかかる。

 同組合は先月28日、流域の寒河江市、河北町、西川町に対し、濁りの解消に向け、泥が付着した石の掘削などの協力を求めた。大場組合長は「釣り人から見放されないためにも行政の力も借り、清流を何とか守っていきたい」と話す。

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