“オオカミ”で獣害防げ 長井市、リンゴ畑に装置を試験導入

2020/10/15 11:54
リンゴ畑に試験導入されたオオカミ形の害獣撃退装置。目が赤く光り、大音量を放つ=長井市伊佐沢

 クマやイノシシの出没急増や農作物被害の拡大を受け、長井市は今月から、伊佐沢地区のリンゴ畑にオオカミ形の撃退装置を試験導入した。近づく動物を赤外線センサーで感知し、大音量と発光ダイオード(LED)の点滅で追い払う。市は効果を確認の上、本格導入を検討する方針だ。

 害獣撃退装置は「モンスターウルフ」の商品名で、北海道のLED機器開発企業が開発。昨年度、ものづくり日本大賞・北海道経済産業局長賞に選ばれた。

 オオカミを模した機器本体は長さ65センチ、高さ50センチ。パイプで四つ足のように設置し、太陽光発電とバッテリーで稼働する。音はオオカミの鳴き声や人間の声、不快音を組み合わせ、最大90デシベルの耳をつんざくような音が周囲に響き渡る。首は左右に動き、目が赤く光るなど前後のLEDで威嚇する。

 市内では、クマの目撃や足跡発見など市に対する通報件数が増加傾向にある。本年度は先月末までで48件と、昨年度の34件を上回る。農作物被害は昨年度、市が把握するだけで32万5千円。枝折れなど計上されない被害も少なくないという。

 一方、イノシシは食害に加え、地中のえさを探すため掘り起こしや、地面をでこぼこにされる被害が出ている。伊佐沢地区に多いリンゴやブドウなど果樹畑では、下草刈りができなくなり、果実の色づきを促す反射シートも剥がされるなどした。伊佐沢児童センターのグラウンドでは、遊具の周辺で掘り起こしが確認されている。

 撃退装置は今月2日に設置された。そのリンゴ畑を所有する農業川井一弘さん(65)は「ラジオを鳴らしながら仕事をしているが、危なくて妻1人では作業させられない」とする。装置を設置してからは「イノシシが来た痕跡はない」と一定の効果を認める。

 同市は年末まで設置を継続する。周囲には赤外線センサーで自動撮影するカメラも設置してあり、追い払い効果を検証する。

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