ペットとの別れにも忌引休暇 滝の湯(天童)が導入

2020/10/1 08:20
天童市の滝の湯は10月からペットの忌引休暇を導入する

 犬や猫などのペットを家族同然に思う飼い主が増える中、天童市の旅館が10月からペットの忌引休暇を導入する。愛犬を亡くした社員が悲しみに暮れ、同僚とシフトを交代して火葬の時間を確保していたのがきっかけ。気兼ねなく休み、ペットとのお別れの時間をとった上で仕事に復帰してもらう。県内では珍しいケースとみられる。

 導入するのは滝の湯(山口敦史社長)。飼っている犬、猫が危篤になったり亡くなったりした場合、3日の特別休暇を取得できるよう就業規則を変更した。年1度更新する家族調書にペットの名前や年齢について記入することが条件だ。

 2カ月前、佐藤伸一常務が、愛犬を亡くした社員が悲しんでいるのを目の当たりにし、発案した。同社では全社員約80人の15%ほどがペットを飼っているという。佐藤常務自身はペットを飼っていないためこれまで考えが及ばなかったというが、ペットがいる社員にアイデアを話したところ、「気兼ねなく休めるとうれしい」と返事が返ってきた。

 まもなく14歳になる愛犬がいる同社接客部課長の布施美樹さん(44)は「先のことを考えるとそれだけで悲しくなる。家族同様の存在で、物を話せないから余計に最期は一緒にいてあげたい」と話す。ただ、「同じ命ある存在とはいえ、動物のために休みを取ることで周囲にどう思われるか考え、なかなか休みにくい」とも。忌引休暇を「ありがたい制度」と喜んだ。

 佐藤常務は「飼い主からすれば、ペットは亡くなれば号泣するほど生活の一部になっている存在。制度化することにより、気兼ねなく休むことができる。しっかりお別れをする時間をつくり、切り替えて仕事ができる環境にしたい」と話している。

 同社はペットの忌引休暇とともに、冠婚葬祭や妻の出産時の休暇なども拡充、福利厚生を充実させ、仕事へのモチベーションアップにつなげてもらう考えだ。

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