大沼、閉店セール終了 途切れぬ客、再出発「待ってるよ」

2020/9/30 22:12
大勢の買い物客が見守る中、閉店セレモニーで元本店長の道家英之さんが感謝の言葉を述べた=30日午後6時36分、山形市七日町1丁目・大沼旧山形本店

 今年1月に破産した百貨店・大沼(山形市)の旧山形本店で、商業コンサルティング「やまき」(東京)と大沼元従業員により2カ月半にわたり開かれた「感謝閉店セール」が30日、終了した。名残を惜しむ客は最後まで途切れず、閉店セレモニーで元本店長道家(どうけ)英之さん(50)は「『新たな始まり』のための終わり。店の再開に向け、仲間と共に進む」とあいさつした。

 旧山形本店は午前10時の開店と同時に多くの人が訪れ、価格が最大95%引きとなった商品を買い求めた。店頭に立った元従業員はかつての常連客に感謝と別れを告げ、手を取り合っていた。閉店時間が近づくと従業員に花を渡す人も。午後6時ごろからは店を出る客にお礼の品が配られた。

 閉店時間の午後6時半すぎ、元従業員が出入り口に整列し、道家さんが声を詰まらせながら「仲間と共に営業の機会を与えていただいた皆さま、支えていただいたお客さまに感謝する。また笑顔でお会いできる日が来ると願う」と述べた。シャッターが下り始めると、見守った客や付近住民ら約200人から拍手が沸き起こり「ありがとう」「待ってるよ」と声が飛んだ。

 破産申請から半年後の7月15日に始まった異例の閉店セールは、大沼の在庫や新たに仕入れた商品を格安で販売。期間中は延べ12万人以上が訪れた。

閉店時間が近づく中、店を出る買い物客にお礼の品が配られた

 同市千歳1丁目、会社員冨樫美詠子さん(51)は「幼い頃から来ており閉店は信じられない。復活してほしい」と強調。同市城南町1丁目の菊地千晴さん(40)は「山形に百貨店は必要」とし、同市七日町5丁目、会社員千葉要さん(42)は「閉店後は寂しかった。ぜひ再開してほしい」と願った。一方で、「取引業者への支払いが先では。みそぎが済んでいない」と話す男性客もいた。

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