県内基準地価、下落幅は9年ぶり拡大 市部と町村部、「二極化」顕著に

2020/9/30 07:43

 県が29日に発表した県内の7月1日現在の地価(基準地価)で、全用途(林地を除く)の平均変動率は前年比マイナス0.8%で22年連続で下落し、下落幅は9年ぶりに拡大した。新型コロナウイルス感染症の影響は、地価に反映されるまでにタイムラグがあるために今回は限定的とされた。全体的には、人口減少などの影響で市部と町村部の下落幅の差が大きい「二極化」が顕著に表れた。

 県地価調査代表幹事の月田真吾不動産鑑定士は「新型コロナは地価に間違いなくマイナスの影響を与えるが、表面化する時期は明確ではない」とし、現時点で売買価格は下落していないと指摘。「飲食業や観光業は厳しい状況にあり、今後は商業地や温泉地などを中心に下落が起きるのではないか」と予測する。

 県内の調査対象は260地点で、用途別内訳は住宅地160、商業地68、工業地23、林地9。このうち住宅地は31地点、商業地は15地点で上昇した。住宅地の平均変動率はマイナス0.7%で21年連続の下落となり、下落幅は横ばいで推移した。市町村別の平均変動率は山形市と天童市が上昇し、米沢市が横ばいから下落に転じた。

 住宅地はコロナ禍でも県民の持ち家志向が強く、金融機関に対する住宅ローンの申し込みが堅調なため、大きな需要減にはつながっていないという。変動率上昇基準地は山形市内の地点が上位を占めた。一方、鶴岡市のあつみ温泉近くの住宅地は、本県沖地震とコロナ禍による下押し圧力が強まり、下落幅が広がった。

 商業地はマイナス1.1%で27年連続の下落となったが、山形市の本町2丁目、七日町1丁目など市中心部にある地点の変動率は上昇基調を保った。月田氏は今後の見通しとして、旧大沼山形本店の売買価格が注目されるとする一方、「マンション業者の購入費が高値で、道路拡幅のための代替地需要もある。今後も中心部は上昇基調ではないか」とみる。

 工業地はマイナス0.3%で22年連続下落となる中、7地点で変動率が上昇した。このうち、天童市石鳥居2丁目の地点は市内の新工業団地の価格が未定とあって上昇幅が縮小した。

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