感染予防にシールドは効果「不十分」 県や山形大医学部、マスクや手洗い呼び掛け

2020/9/29 11:33
マウスシールドを手に、感染予防の効果が十分ではないとの見解を示す欠畑誠治教授=山形市・山形大医学部

 新型コロナウイルスの感染予防対策で用いられるフェースシールドやマウスシールドについて、県や山形大医学部は飛沫(ひまつ)の拡散リスクがあり感染を防ぐ効果が低いとして、改めてマスクの着用を徹底するよう求めている。県は公式の会員制交流サイト(SNS)で県民への呼び掛けを始めたほか、同学部はマスク着用と手洗い励行を促している。

 マウスシールドは口元、フェースシールドは口元に加え目や鼻など顔全体をそれぞれ保護するため用いられる。口元が隠れるマスクと比較して、透明なプラスチック製で「顔が見える」「呼吸が楽」との理由から利用者が増えている。

 だが、欠畑(かけはた)誠治山形大医学部教授(耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座)は、口元がしっかり覆えないためシールド類は「感染予防の観点で効果は十分ではない」と指摘する。「フェースシールドは直接的な飛沫をある程度抑えられても、マウスシールドは口元が大きく開いており拡散する。特にマウスシールドを装着し、近距離で会話をするのはとても危険だ」と強調する。

 フェースシールドの効果を調べる実験でも、理化学研究所などがスーパーコンピューター「富岳」を使い飛沫の広がりや漏れを確認している。阿彦忠之県医療統括監は、くしゃみを可視化した世界のさまざまな研究成果を踏まえ「吐き出された飛沫は最初は前方への動きをブロックできるが、比較的簡単にシールド枠の周りを移動してしまう。時間の経過とともに飛沫の濃度は低下するが、縦横に広範囲で拡散する可能性がある」との見解を示す。

 県は先週末、県公式のツイッターとフェイスブックで「シールドは医療現場で目の保護や、表情を含めたコミュニケーションが必要な場面で使われるが、せきやくしゃみの飛沫を防ぐ効果はマスクよりも低いとされる」とし、「改めてマスクの着用をお願いする」とのメッセージを掲載した。

 全国的には神戸市などがフェースシールドやマウスシールドは効果が不十分とし、市民らにマスク着用の徹底を呼び掛けている。欠畑教授は「感染予防は、マスクの着用と手洗いの徹底に尽きる。感染が広がり経済活動が停滞しないよう、一人一人が基本に立ち返ってほしい」と訴えている。

記事・写真などの無断転載を禁じます
[PR]
おすすめニュース

県内ニュース最新一覧

[PR]