手軽に高性能、新手法を開発 山形大など、自己修復プラスチックの製造

2020/9/23 09:56
研究成果を披露する山形大の松葉豪教授(右)と村山駿介さん=米沢市・山形大工学部

 表面に傷が付いたり、ちぎれたりしても自ら修復する機能を備えたプラスチックの製造法を山形大と大阪大の研究者が開発した。2種類の素材を混合器で強力に混ぜ合わせることで、従来製品より安く、手軽に、環境への負荷も少なくすることに成功。車のボディーコートへの導入が期待されるほか、眼鏡のレンズを覆うことで常にクリアな視界が維持されるなど幅広い用途が考えられるという。

 山形大からは高分子物性、高分子機能を専門とする松葉豪教授と大学院有機材料システム研究科博士前期課程の村山駿介さんらの研究グループが参加した。主にエックス線装置などを使い、分子間が結合する様子を精密に解析し、構造の変化を調査する役割を担った。

 自己修復機能を備えたプラスチックは自動車などのボディーコートなどとして製品化されているが、機能を備える際の工程で化学薬品を使用するなど、手間とコストを要している。両大が編み出した手法は2種のプラスチックを混合器で、すりつぶすように強く混ぜるだけで完成する。

 従来のように2種類のプラスチックを化学薬品で溶かしてから混ぜるより、圧を加えて物理的に混ぜる方が性能面でも優れていることが分かった。大事なのは「混ぜ方」で、松葉教授は「しっかり混ぜることが重要なのだが、混ぜ過ぎても十分な効果が発揮しない」と指摘し、加減の妙を強調した。

プラスチックに入った横の白い線がはさみで切った部分。切り口を合わせると、再びくっつき、ピンセットで持ち上げることができた

 車や航空機、ロボットなどはもちろん、電子機器なども寿命を長くするため表面を保護する膜の高性能化が求められており、松葉教授は「今回の技術が大きく寄与できると考える」と展望した。

記事・写真などの無断転載を禁じます
[PR]
おすすめニュース

県内ニュース最新一覧

[PR]