標的は独居のお年寄り ジャパンライフ、県内被害多数

2020/9/19 07:33
山形市七日町通りにあったジャパンライフ山形店=2018年1月

 「情にほだされた。親切にされて信用した」。18日に詐欺の疑いで元会長ら14人が逮捕された「ジャパンライフ」の県内被害者の多くは70代や80代の高齢者だった。営業担当者は1人暮らしのお年寄りに狙いを定め、言葉巧みに家に上がり込み、話し相手になるなどして、信用させる手口を使っていたという。

 本県の被害弁護団などによると、山形、米沢、東根の3店を拠点にしたジャパンライフの営業担当者らは初めから金の話はせず、身の上や仕事の話などで懐柔したという。健康に不安を抱えている人も少なくなく、「健康にいいですよ」と、磁気効果があるとネックレスやベストなどの購入を持ち掛けていた。

 相手が話に乗れば、磁気ネックレスなどのオーナーになることを勧め、次々と出資させた。年6%の配当をもらっていた被害者は、実態は商品がほとんどなく、借り手も募っていなかったことなどは知らなかった。5千万円の被害に遭った70代の女性は1人で老後を過ごしている。蓄えは全て取られてしまい、介護関係の仕事でパートをせざるを得なくなった。

 ジャパンライフは毎月のように山形、天童両市内のホテルなどで、会員を招待し、飲食や宿泊の接待をしていた。今回逮捕された元会長の山口隆祥容疑者(78)=東京都文京区=も度々訪れていた。会場のスクリーンに安倍晋三首相(当時)と一緒の写真や「桜を見る会」の招待状も映し出され、女性は「首相との関係もあるし信用してしまった」と話したという。

 被害を受けた人は県内で200人とも300人ともいわれる。このうち、山形地裁に損賠賠償訴訟を起こしたのは53人。1人当たり最大の被害額は約1億4千万円だ。さらに、被害対策弁護団に対し、破産手続きなどを依頼しているのは83人と全国最多で、その被害総額は約15億6900万円に上る。元幹部逮捕で“組織的なだまし”として追及されることになる。弁護団の長岡克典事務局長は「被害回復に向けて弾みとなる」としながらも、被害者は高齢者ばかりだとして迅速な解決を求めた。

記事・写真などの無断転載を禁じます
[PR]
おすすめニュース

県内ニュース最新一覧

[PR]