処理水活用、野菜の水耕栽培も上々 鶴岡・浄化施設、アユ養殖に続き

2020/9/17 13:50
処理水を使って行われた野菜の水耕栽培。そこでアンモニア態窒素濃度を薄め、奥の池でアユが養殖された

 栄養分が豊富な下水処理水を利用し、アユの養殖実験を行っている鶴岡市の鶴岡浄化センターは本年度、新たに野菜の水耕栽培に取り組んでいる。アユの養殖池に入る前に、処理水を水耕栽培の実験池を経由させることでアンモニア態(たい)窒素を野菜に吸収させ、成育環境を向上。処理水のみでの栽培と養殖の可能性を探っている。品種によっては野菜の収量が十分に得られ、市は手応えを感じている。

 同センター敷地内の約120立方メートルの池で昨年夏、初めてアユの養殖実験を行った。処理水に含まれる窒素、リンなどの養分でアユの餌となる藻を育てる取り組みで、初年度はアユ2千匹を養殖し、良好だった。

 本年度も6月に同数のアユを入れた。昨年度は、成育の支障となるアンモニア態窒素濃度を抑えるために地下水を加えて希釈したが、今回は地下水を用いず、野菜にアンモニア態窒素を吸収させることで処理水の養分を薄めない手法とした。隣接する同規模の池に処理水を流して水耕栽培を行い、そこからポンプとホースで養殖池に水を回した。

養殖の実験池ではアユが順調に育った=鶴岡市・鶴岡浄化センター

 空心菜(くうしんさい)、クレソン、バジル、三つ葉の4種類について、肥料を使うことなく育てた。その結果、三つ葉は他の野菜に負けて枯れてしまったが、7月からの2カ月間で空心菜は約240キロ、クレソンは約23キロ、バジルは約15キロを収穫した。藻の繁殖に問題はなく、アユも20センチほどに育ち、今月10日に同市の県漁業協同組合由良水産加工場に運ばれた。アユ、野菜とも安全性の確認を進めながら加工などの利活用を検討する。

 下水道資源を巡っては国土交通省が「ビストロ下水道」として農業への活用を推進しており、鶴岡市も山形大やJA鶴岡などと連携し、飼料用米栽培、廃熱によるハウス栽培などに取り組んでいる。同センターは「予想以上の量の野菜が収穫でき、アユの成育も順調だった。さらに検証を続け、事業化につなげたい」としている。

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