体温測る「ゲルハチ公」 山形大工学部開発、ロボット改良

2020/9/3 10:18
超福祉展に出品されている「ゲルハチ公」。触れた来場者を癒やしながら、実際に体表面温度を測定している=東京・渋谷

 山形大工学部が開発に取り組む柔らかロボット。マスコット的存在として親しまれる「ゲルハチ公」に体温測定機能を加える改良が進んでいる。柔らかロボットが得意とする「癒やし」機能を「コロナ時代」に生かす狙いがあり、都内で2日に開幕した「超福祉展」に出品され新機能を紹介している。とかく毎日の検温はストレスだが、同学部は「かわいらしい姿を見ているうちに『ピッと検温』できれば」と期待を込める。

 昨年、東京・渋谷で開かれた「超福祉展」で注目を集めた「ゲルハチ公」は、高さ約90センチ、幅約35センチ。頭から首、前足の部分が柔らかい樹脂で作られている。なでられたり声を掛けられたりした際のデータを、触覚センサーやカメラ、マイクを通し人工知能(AI)が解析。鳴き声や息遣い、首に付けたライトなどで感情として表現する。

 一方、今年の同展では、体表面の温度測定を“目玉機能”として8日まで展示している。体表面の温度を測定するシステムはチノー(東京)の山形事業所が全面的に協力。より自然な仕上がりになるよう意識し、センサーが付いた機器は首から下げた袋に入れてカムフラージュした。会場の体験コーナーでは、来場者が「ゲルハチ公」の柔らかい感触を楽しみながら、目の前のモニターで体温をチェック。体験した女性は「ロボットとは思えない手触りにとても癒やされる」と笑みをこぼしていた。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、公共施設への入館や各種催しに参加する際は入り口での検温が必須になっている。多くは非接触型の体温計でおでこの温度を測定するが、検温の必要性が理解されている一方で「またか」とのストレスは否めない。「そこで抵抗感の払拭(ふっしょく)」と開発担当者は「ゲルハチ公」改良に至った背景を強調する。

 改良に携わっている古川英光教授は「将来的には福祉施設や幼稚園などへの導入を意識している。ゲルハチ公が門番のように入り口にあり、入館者が癒やされているうちにバイタルデータを取るのが理想だ。今後は顔認証機能などともひも付けしていくことも検討している」と語った。

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