酒田市、飛島に光回線整備へ 21年度末完了めざす、遠隔診療や移住促進に期待

2020/8/27 07:34
海底に敷設した光ファイバー回線で酒田市内と結ばれる飛島=同市

 酒田市は本県唯一の有人離島・飛島に光ファイバー回線を整備する。飛島は住民の高齢化が進み、医師が常駐していない。整備されれば、高速・大容量のデータ通信を活用した遠隔診療が可能となるほか、テレワークの普及を受けた移住・定住促進や交流人口の増加が期待される。年度内に事業に着手し、2021年度末の完了を目指す。

 酒田―飛島間約40キロの海底に光ファイバーケーブルを敷設する。市は整備後、飛島診療所と市内の病院をオンラインで結び、患者の診療データを即時に送信できるようにすることを念頭に置く。避難所などに高速通信が可能な公衆無線LANを設置し、災害発生時に島民の情報収集に役立てることも想定。第5世代(5G)移動通信システムの普及を見据えて情報通信基盤を充実させ、魚や野鳥を研究する施設の誘致、観光客や移住希望者の増加につなげる考えだ。

 飛島の人口は7月末現在で115世帯181人。島民の平均年齢は70.49歳で高齢化率は76.8%となっている。島内では現在、本土との無線通信によるADSL(非対称デジタル加入者線)と4G回線のインターネットが使用できるが、動画など大容量のデータ送信時に支障が出ているという。

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、国はオンライン授業やテレワークの定着を目的に、20年度の第1次、第2次補正予算で、光ファイバー網未整備地域への整備助成費として530億円を計上。飛島での事業費は29億4646万円と見込まれ、このうち3分の2が助成対象となる。地方創生臨時交付金などを併せて活用すると、市の一般財源充当分は大幅に抑えられるという。

 市は事業費を盛り込んだ20年度一般会計補正予算案を、今月28日開会の市議会9月定例会に提出する。予算の議決を受けて事業者の選定などを進め、年明け以降に調査設計やケーブルの発注に着手する方針。

 市は今後、「新しい生活様式」に対応しようと、デジタル技術の活用によって行政手続きや庁内業務の簡略化を図る「デジタル変革」に乗り出す。海底ケーブル敷設は変革に向けた基盤づくりの一環で、飛島への整備により市内の光ファイバー網整備率は100%となる。

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