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「閉店セール」売り上げから、積立金を返してほしい 大沼友の会会員

2020年08月10日 09:25
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 今年1月に破産した百貨店・大沼(山形市)。旧山形本店では現在、元従業員有志や百貨店事業再開を目指す商業コンサルティング「やまき」(東京)による「感謝閉店セール」が開かれている。寄り添うぶんちゃん取材班に、顧客組織・大沼友の会会員だったという女性から「セールの売り上げから積立金を返してほしい」と手紙が届いた。弁護士に聞くと、やまきや元従業員に支払いを求めるのは難しいことが分かった。

 友の会は会員が一定額を毎月積み立て、1年後の満期時に0.5カ月分を足した合計額分を買い物券として会員に還元する仕組みだった。破産申請と同時に、買い物券は使用できなくなり、積立金も返還不可能に。破産時点で積立者が約3800人、買い物券所有者が約8500人いた。

 買い物券や積立金、大沼発行の商品券は還付制度があり、法律に基づき残高の半額に当たる供託金を原資に対象者に還付される。買い物券と積立金は東北経済産業局が、商品券は東北財務局がそれぞれ手続き中で、既に申請受け付けを締め切り、12月以降に申請者に還付される予定だ。

 県内の弁護士によると、やまきは大沼と別法人のため支払いや弁済の義務はなく、セールの売上金を原資に積立金の返還や買い物券と商品券の払い戻しを求めることはできない。債権者も同様に売上金から弁済を求めることは不可能だ。破産の責任を連帯保証人ではない個人が負うことはなく、元経営陣や元従業員にも支払いは求められない。

 大沼は現在、破産管財人の管理の下、法律に基づいて破産手続き中。財産は破産財団として処理され、現金化した上で元従業員への未払い給与や退職金の支払い、滞納税金の納付などに充てられる。大沼に残っていた衣料品や雑貨などの在庫は担保権者の同意を得て入札を行い、やまきが落札して感謝閉店セールで販売している。落札額の一部は元従業員への支払い、納税に充てられるという。

 一方で、一夜にして債権者となった友の会会員や商品券所有者、取引業者の複雑な思いは理解できる。女性も「失った額が大きくて家族にも話せない。『地域への感謝セール』『1年後に復活』と響きの良いことを言っているが、未解決の問題について今後の対応を知りたい」と憤った。

 それに対し、セールを主導する道家英之元本店長は「大沼元従業員として、ご迷惑をお掛けしたお客さまや取引先には大変申し訳ない。償えないのが悔しい」と話す。その上で「百貨店を再開し、中心街の活性化に貢献したいという思いに変わりはない」と続けた。
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