ふるさと山探訪(7) 米沢市・斜平山

2020/8/2 21:56
愛宕神社山頂からは米沢市街地が一望できる

 米沢市南西部に位置し、斜めに切った壁のような山容が特徴な斜平山。市街地に近く、トレッキングに訪れる市民も多いが、山城跡の側面も注目され始めている。記者は梅雨明け初日となった2日に入山した。昨年、愛宕神社への参拝を兼ねて登ったことがあるが、その時とは全く異なる山の魅力に触れることになった。

 古志田口から西側の小野川温泉へと抜け、城跡をたどるルートに挑んだ。太陽がジリジリと照りつける一方、先日の大雨の影響ででぬかるむ足元。天然の要塞(ようさい)だった急勾配の山道を、NPO法人斜平山保全活用連絡協議会の鈴木與右エ門さん(78)から、歴史の解説をじっくり聞きながら登った。

 愛宕神社や羽山神社があり、昔から信仰の対象だった斜平山は、戦国時代に山城が築かれた。米沢を治めていた伊達政宗の重臣、片倉景綱(小十郎)の館もあったとされている。城跡といっても、400年近く昔のこと。残っているのは土塁などの形のみという。

 本当に城跡が分かるのかと半信半疑で木々が茂る山道を登っていると、鈴木さんが指さした。その先を見ると、幅、高さともに50センチほど掘り下げられたへこみが直線上に続いていた。当時の堀の形がそのまま残っていた。周囲に目を凝らすと、山の斜面も段々になっている部分が多い。山城の姿が少しずつ浮かんだ。

 見応えがあったのは深さ約3メートル近く、V字に掘られた竪堀(たてぼり)。今は登山道として活用されていて、近くの風景から当時の様子を勝手に想像しながら足を動かした。山城の全体像を思い描きながらの約5時間半の行程。今までにない楽しみ方ができたし、斜平山を見る目が変わった。

【メモ】斜平山(なでらやま)

 愛宕山(555メートル)、笹野山(660メートル)、羽山(534メートル)など、南北約7キロに連なる山々の総称。名前の由来は、7つの寺が集まっていたため「ななてらやま」がなまったという説と、雪崩が頻発する「なだれやま」がなまったという説がある。

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