ふるさと山探訪(6) 杢蔵山(新庄)

2020/8/1 23:16
杢蔵山荘からは新庄市街地が一望できた=同市

 新庄市東部にある杢蔵山(1026メートル)は、神室連峰の南端に位置し、市民に親しまれている。1日は山頂に霧がかかっていたものの、山荘からは市街地が一望できた。

 記者は月山の夏山登山を一度経験したのみの初心者。おまけに110キロという人より重い“荷物”を背負っての挑戦。準備は万全にしようと、専門店でトレッキング用のポールと靴を買いそろえて挑んだのだが…。

 「新庄自然に親しむ会」の会員ら5人と入山。斎藤利夫さん(68)の先導で午前8時40分、小雨の中を山屋登山口から出発した。「暑いよりいいかも」と思ったが、それはすぐに間違いだと気付く。雨粒が眼鏡をぬらし視界が悪い上、専用靴でも足元が滑る。沢を横切る場面が連続し、苦しい序盤となった。

 登りが連続し、足が重くなったため後続に道を譲ろうとしたが「自分のペースでゆっくり進んで」と励まされ、疲労を察した斎藤さんから栄養補給用のゼリー飲料をもらう。温かい心遣いに「なんとしても山頂まで登らなければ」と決意したものの、「心臓破りの坂」と書かれた看板が目の前に現れた。顔を上げると、一歩分の道幅しかない急勾配が続いていた。「体力の限界」と昭和の大横綱の言葉が頭を駆け回った。

 「あと20歩で絶景です」。斎藤さんが手招きする場所に向かうと、突如視界が開けた。ついに山荘に着いたのだ。腹ごしらえをし、いざ山頂にアタック。頂上は霧がかかっていたが、道中、県内で2カ所でしか見ることのできない花「ヤマルリトラノオ」を発見した。山荘に戻り、テレビ塔などがある三角山を経由して帰路に就いた。

 所要時間は約9時間と手こずったが、斎藤さんが「この眺望を見るたびに疲れが吹っ飛ぶ」と語るのにはうなずけた。「ここは俺の山。長靴でも平気」と語る先達の域にはほど遠いが、またチャレンジしたくなった。

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