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県内豪雨、天童の果樹畑被害1億円か 「悔しい。泣くに泣けない」

2020年08月01日 09:34
果樹が流され、壊滅的な状況となった現場=天童市蔵増
 最上川が氾濫した豪雨で、天童市蔵増の果樹畑約1ヘクタールのサクランボの木やハウスなどが流されていたことが31日確認された。県によると農作物の被害規模は現時点で最も大きいとみられ、一帯の被害額は同市の概算で1億円前後が想定されている。

 最上川右岸の河川敷に広がる果樹畑は、29日の水位上昇で全てが水没した。このうち寒河江川の合流点に近い約1ヘクタールの被害が甚大で、水流によってサクランボやラ・フランス、桃など果樹40本ほどが根こそぎ流されたり、倒されたりした。ハウスは倒壊し、長さ5メートルの巨木やごみも漂着し、壊滅的となっている。

 市などによると畑は民有地で、20人ほどの農家が果樹を栽培している。31日、高橋雅史県農林水産部長や山本信治市長らが被害に遭った農家と現場を確認した。「朝早くから頑張って育てたのに悔しい。泣くに泣けない」と佐藤昭子さん(78)=同市高野辺。岩月正也さん(78)=同市蔵増=は「30年ここでやっているが、こんなことはなかった。桃に袋をかけて間もなくというときに駄目になり、年齢的に栽培を諦めるしかない」と肩を落とした。県は同様の河川敷にある田畑を含め、農作物被害の全容把握を進めている。

白鷹の国道斜面、長さ150メートル崩落
国道348号脇の斜面が長さ約150メートルにわたり崩落し、通行止めが続いている=白鷹町滝野
 白鷹町では大雨の影響で、滝野の国道348号脇の斜面が長さ約150メートルにわたり崩落し、前後約1.7キロ区間では通行止めが続いている。県は31日に斜面の動きを感知する伸縮計を設置するなど詳細な調査を進めているが、早期復旧は不透明な状況だ。

 県置賜総合支庁西置賜道路計画課によると、崩落現場はチェーン着脱場「滝野パーキング」の付近。28日午後2時ごろ、道路の谷側斜面が崩れているのが見つかり、同4時ごろに県が確認した。

 降雨が続き、時間経過とともに崩落範囲が広がっていたことから、県は同日午後8時半に全面通行止めの措置を取った。29日夕方以降は農免道路「鷹山線」と主要地方道山形白鷹線を総延長9.2キロの迂回(うかい)路とし、車両を誘導している。

 現在の崩落現場は車道脇の歩道が流失し、柵が宙づりで残っている状態。同課によると、この道路は約30年前に開通したという。担当者は「年月が経過して土が劣化していた所に大量の水が染みこみ、斜面が流れ落ちた可能性がある」と話した。

設備浸水、製造ストップ
浸水被害を受けた工藤コンクリートの製品製造用モーター=河北町・谷地工業団地
 河北町では最上川近くに立地する複数の企業が浸水被害を受け、31日時点で操業再開できない会社が出ている。

 堤防沿いにある谷地工業団地(18社)では、近くの支流・槙川と排水路の水があふれ9社が被害を受けた。工藤コンクリート(工藤泰輔社長)では事務所と工場が浸水し、製造用モーターなど約20の設備が使えなくなった。工藤社長は「交換や修理で製造の再開は来週末になりそう。本格稼働はもっと先かも」と疲れた表情を浮かべた。

 同団地の運送会社では事務所兼倉庫が浸水し、工業製品や駐車場にあった6台の4トントラックなどが水に漬かった。事務所の電話やパソコンが復旧したのは31日午前だった。この会社の社長は「なるべく早く本格再開したい」と語った。

 最上川近くの押切地区に立地するプラスチックシート加工のトミプラ(冨永新治社長)では、支流・古佐川の氾濫で事務所と工場などが浸水。31日は従業員が泥と水出しに追われた。複数の機械が水に漬かり、冨永社長は「機械は濡れれば交換しないといけない。再開は来週に調べてもらってからになり、不安だ」とつぶやく。新型コロナウイルスの影響で売り上げが芳しくない中だったといい「追い打ちだ」と嘆いた。

 県によると31日午前8時現在、14市町村の企業68社が浸水被害を受けた。内訳は製造業25社、小売・卸売業15社、飲食業11社、建設業6社など。県内の商工会議所、商工会への聞き取りで分かった。このほか宿泊施設は4市町村の6施設が浸水し、2町の2採石場で崩落被害があった。
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