ふるさと山探訪(5) 金峯山・愛される自然、歴史

2020/7/27 20:45
お堂から、ひょっこり姿を見せたカモシカ

 鶴岡市街地南方にそびえる金峯山(471メートル)は、古くから信仰の山としてあがめられた。山麓から登山道が延びているほか、中腹にある金峯神社中の宮近くまで車で行くこともでき、個々のペースで自然散策を楽しめる。

 入山した27日、山麓の青龍寺集落側登山口では、高さ約30メートルの老木で県指定天然記念物の大フジが威容を誇っていた。そのまま車道を進むと、地元有志でつくる「金峯山を愛する会」が設置した案内板がある見晴らし台が、中の宮近くの道路脇に現れた。登山道に入ってからも随所に展望スポットがあり、登るごとに広がりを増す眺望は疲れた体と心を癒やし、励ましてくれた。

 ◇ ◇ ◇ 

 明け方までの雨がやみ、青空も広がった27日の午前6時55分ごろ、金峯神社中の宮から金峯山頂に向け登山を開始した。案内してくれたのは、「金峯山を愛する会」会長の五十嵐政一さん(72)=鶴岡市千石町=と、会員で同市職員の玉津卓生さん(55)=同市のぞみ町。石や丸太を使った階段が各所にあり、道幅は狭いが、足場をしっかりと踏んで歩くことができた。

 それでも道は雨上がりで滑りやすく、勾配が急な所もあり、歩みは慎重になった。修験の歴史を感じさせるお堂のそばでは、カモシカと遭遇。ブナ林をさらに進むとさまざまな植物の説明板があり、豊かな自然への理解が深まった。

 途中の八景台では、庄内平野の眺望が広がった。「金峯山に内川の流れ-」。五十嵐さんが、気持ちよさげに合併前の旧市民歌を歌った。午前7時55分ごろ、標高458メートルの三角点そばの一望台に到着。ここからは飛島がかすかに望めた。「手軽に、自分たちの暮らしの場を眺められる」と五十嵐さん。玉津さんは「東京にとっての高尾山のような存在だ」と例えた。

 山頂にある金峯神社本殿で、許可を得て保存修理工事の現場を見た後に下山し、35分ほどで中の宮へ。例のお堂のそばには、まだカモシカがいた。金峯山は人にも動物にも愛着ある山のようだ。

◇金峯神社 金峯山頂にある本殿は国指定重要文化財で、現在、屋根の銅板の葺き替えや柱の部品の交換などを行っている。1922(大正11)年以来の大規模修理で、工期は11月下旬までの予定だが、延びる可能性もある。一般公開はしていない。中の宮近くには「里の名水・やまがた百選」に選ばれた「閼伽井(あかい)の清水」があり、くんでいく参拝客も多い。

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