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ふるさと山探訪(4) 天狗山・御利益ありそう、登山道に16もの神仏

2020年07月26日 21:42
ブナなど広葉樹の緑が目に爽やかな天狗山。登山道には16の神仏が祭られている=飯豊町小白川
 飯豊町の天狗山(てんぐさん)(612メートル)は明治時代から昭和初期にかけて、多くの修行僧や信者が登る霊山だった。麓の同町小白川には、かつて宿をはじめ菓子屋、酒屋など数多くの店が軒を連ねていた。登山道には稲荷大明神や文殊菩薩(ぼさつ)など16もの神仏が祭られ、今でも天狗山を登る人々は通り掛かるたびに祈りをささげたり、その付近で休憩を取ったりしているという。

 入山した26日朝、登山口付近は蒸し暑かったが、約2時間後の午前10時半ごろ山頂に着くと、街から吹き上げる風の心地よさが感じられた。登頂後は自分にも御利益があるように感じ、心なしか下山する足取りも軽くなった。

 ◇ ◇ ◇

 飯豊町小白川の県道長井飯豊線沿いに赤い大きな鳥居がある。町の北西部に位置し、多くの神仏が祭られている天狗山(てんぐさん)(612メートル)への登山口の目印になっている。26日の入山前は雨が降っていたが、登り始めると神々がほほ笑んで歓迎してくれているかのように、次第に晴れていった。

 山行のガイドのほか、登山道の草刈りや手入れなどを行っているNPO法人まちづくりいいで理事長の鈴木孝さん(67)=同町小白川=が今回、案内役を務めてくれた。天狗山の由来は諸説あるというが、最も有力な説を鈴木さんに教えてもらった。

 それは江戸時代後期のこと。山中の炭焼き小屋に動物のものではない足跡が見つかるなど、不思議な出来事が次々と起こった。みこに相談したところ「天狗様が住む場所を探している。お宿をつくればなくなるだろう」と助言を受けた。言う通り山頂にほこらを安置すると奇妙な出来事が収まったため、山には天狗が住んでいると信じられ、いつしか天狗山と呼ばれるようになった-。

 天狗伝説を聞きながら歩を進めると、中腹には天狗の双尊も祭る護摩堂が鎮座していた。さらに山頂へと着くと、隣接する長井市や川西町の街並みを見渡すことができ、麓には薄緑の水田が広がっていた。この絶景こそ、天狗様が山に住み着いた理由を教えてくれている気がした。

◆天狗山(てんぐさん) 祈●(きとう)所となっている護摩堂は1894(明治27)年の創建後、1923(大正12)年、75(昭和50)年、2014年の3回改築された。不動明王の本尊とそのお使いである鼻高天狗とカラス天狗の双尊が祭られている。登山者が書き込めるノートが置かれ、交流の場にもなっている。

●=示ヘンに寿の旧字体

関連写真

  • 天狗山の頂上からは長井市や川西町、晴れていれば遠く南陽市まで見渡せる=飯豊町小白川
  • 登山道には16の神仏が祭られている=飯豊町小白川・天狗山
  • ブナなどの広葉樹の緑が目に爽やかな天狗山の登山道=飯豊町小白川
  • 頂上からは長井市や川西町、晴れていれば遠く南陽市まで見渡せる=飯豊町小白川・天狗山
  • 中腹にある護摩堂
  • 五穀豊穣をつかさどり、田の神である稲荷大明神=飯豊町小白川・天狗山
  • 知恵授けの菩薩様と呼ばれ、学問の仏様である文殊菩薩=飯豊町小白川・天狗山

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