ふるさと山探訪(3) 水晶山・奇岩や巨石、驚くべき自然の造形

2020/7/25 21:16
天狗の鼻のように岩が突き出た「天狗岩」。東根市側のコースには巨岩や奇岩が点在している=天童・東根市境

 天童市と東根市の境に位置する水晶山(すいしょうざん)(668メートル)は、かつて信仰の山として栄えた。近年は地元住民の手入れにより周回コースが整備されるなど、地域に愛される山でもある。25日に一帯を歩くと、奇岩や巨石など驚くべき自然の造形が迎えてくれた。

 入山は天童市側の川原子口から。雨の影響で山林には霧が立ちこめたが、山頂では東側の視界が開け、湧き上がる雲と眺望を楽しんだ。水晶が採掘されたという「御室(おむろ)」をはじめ、奇岩と呼べる造形の神楽岩、天狗(てんぐ)岩などを見て回りながら東根市側の猪野沢口に下山し、住民が整備した周回路をたどって川原子口に戻った。岩の荒々しさを感じながらの山行となった。

 ◇ ◇ ◇ 

 信仰の山、水晶山(668メートル)は、石のエピソードに彩られた山でもある。天童、東根両市にまたがる全山が石英粗面岩(流紋岩)で形成され、かつて山頂付近で水晶が採掘されたことが山名の由来になったとの説もある。

 一帯を歩いた25日は「水晶山に親しむ部会」(天童市)部会長の後藤久弥さん(78)=同市道満=、那須茂さん(78)=同市川原子=、矢野房夫さん(68)=同市山口=の同行を得た。一行は天童側にある川原子口から入山。山岳宗教の貴重な遺跡とされる「禊(みそぎ)の井戸」などの史跡をたどり、山頂を目指した。市外からの登山者と幾度も出会い、地元以外にも親しまれている山なのだと実感する。

 山頂直下の縦穴「御室(おむろ)」へ。かつては壁面に水晶が浮き出ていたというが、後藤さんたちは「登山者に全て削り取られてしまった」と残念そうな表情を浮かべた。山頂を目指す途中、岩場で奇跡的に水晶の塊を拾ったが、先ほどの表情が頭から離れず、人目につかない所にそっと安置した。

 山行はずっと霧に包まれていたが、山頂では東側の眺望が開けた。矢野さんが「水晶山神社の神様のおかげだ」とつぶやき、一行も笑顔でうなずいた。

 東根側の猪野沢口に下山し、同会と猪野沢地区の住人が2012年に整備した周回路を歩き川原子口へ戻った。汗が心地よかった。それ以上に、大切な山を守ろうという人たちの思いで胸がいっぱいになった。

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