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「大沼閉店セール」15日から開催 旧本店で9月末頃まで、元テナントも出店

2020年07月09日 10:42
感謝閉店セールの開催を発表するやまきの役員と旧大沼の元従業員有志=山形市
 破産した百貨店・大沼(山形市)の元従業員有志と、旧山形本店で百貨店事業の再開を目指す商業コンサルティングの「やまき」(東京)は8日、旧本店で記者会見を開き、「感謝閉店セール」を今月15日から開催すると発表した。大沼の在庫とやまきが仕入れた衣料品、雑貨、生活用品などを販売し、在庫状況を見ながら9月末頃まで展開する。準備が整い次第、食品も販売する計画という。

 地上7階地下1階だった売り場のうち、当面1~3階と5階を利用。食品売り場だった地下1階は設備修繕が必要なほか、業者と出店交渉中のため、「早期に販売開始できるよう準備する」とした。婦人服、紳士服、子供服、肌着や靴、バッグ、雑貨、キッチン用品、寝具、宝石などを販売。大沼の在庫は破産管財人の承諾の下、6月に入札によりやまきが落札した。元テナント数社も出店する。

 セールのため、やまき側は子会社が既に元従業員191人のうち再就職していない約20人を臨時雇用しており、開始までに60~70人体制に拡充する。期間中は旧本店所有者で山形市の実業家和田有弘(なおひろ)氏(83)から建物を借りる。営業時間は午前10時~午後6時半で、定休日は設けない。売り上げの一部は山形市などに寄付する。

 会見では債権者への道義的責任を問う質問があり、元従業員のリーダー役という道家英之元本店長は「1月の破産により迷惑を掛けたお客さま、取引先に深くおわびする」と陳謝。「セールは恩返しとして大沼の320年の歴史にけじめを付け、再生への足掛かりにしたい」と声を震わせながら決意を示した。やまきとは昨年8月、伊勢丹出身の元幹部の紹介で関わりを持ち、破産後に再生への支援を受けていると説明。セール後には老朽化した建物を改修し、百貨店事業を再開したい希望も口にした。

東京の商業コンサル「再生への思い強く」
 やまきの古沢清孝専務は「中心市街地の大型店が閉店すると街が廃れる。日本で3番目に古い百貨店を再生したいとの思いは強く、新たな大沼の灯(ひ)をともしたい」と強調。「『突然の閉店でお客さまや取引先に感謝も別れも伝えられず、悲しく悔しい』という元従業員の思いをくみ、セールを支援することになった」と語った。所有権取得や抵当権者の山形銀行が申し立てた競売を待たず開催することには「このままでは設備が劣化するし、従業員の雇用の問題もある」とした。

 和田氏との旧本店売買交渉に関しては「百貨店再開はあくまで所有権取得が大前提。5月には交渉が大詰めだったが、その後、和田氏の事情で契約に至っていない。早く取得できるよう交渉を続ける」と話した。百貨店再開の時期やビジョンに関しては「所有権を取得してから明らかにしたい」と述べるにとどめた。

 山形銀行は山形新聞の取材に対し「詳細は把握していないものの、競売の方針に変更はない」と答えた。

山形市長が歓迎「市民の思いにも応える」
 やまきの役員、旧大沼の元従業員有志代表は記者会見の終了後、山形市役所を訪問し、佐藤孝弘山形市長に閉店セール開催を報告した。会談後に取材に応じた佐藤市長は「突然の閉店で市民にとって驚きとともに残念な終わり方だった。元従業員が入ってのセールは市民の思いにも応えることになる」と、セール開催を歓迎した。

 また今後について「セールが行われれば多くの市民が買い物に行き、いろいろなイメージを持ち、その先に思いが形成されていくだろう」と述べた上で、市民の声を聞き、行政としての支援策などを検討する考えを示した。
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