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重症者病床の拡充が必要 第2波対策、阿彦県医療統括監に聞く

2020年06月05日 12:43
流行の第2波に備え、県内の医療提供体制の拡充を目指すと強調する阿彦忠之県医療統括監=県庁
 県内の新型コロナウイルスの新規感染者は4日、1カ月連続でゼロとなった。累計感染者が69人に上った流行の第1波は乗り越えたが、いつ襲ってくるか分からない第2波に備えて医療提供体制の拡充などが急がれる。県の新型コロナ対策の先頭に立つ阿彦忠之県医療統括監にこれまでを振り返り浮かび上がった課題や、まん延防止に向けた対応策を聞いた。以下は一問一答。

 ―県内で5月5日以降は感染確認がない。封じ込めにつながった要因は。

 「新型コロナは人から人にうつる病気。県による各業態への営業自粛要請などで、人との接触機会を減らしたことが封じ込めにつながった。皆さんに多くの負担を掛けてしまったが、感染防止につながったことは間違いない。県民や企業の協力に感謝したい」

 ―県内の医療提供体制を振り返ってほしい。

 「新型コロナは予防投薬や治療薬が開発されていない。現段階では重点医療機関で治療、管理した方が院内感染防止の観点で望ましく、感染症指定医療機関の県立中央、日本海総合、公立置賜総合の3病院を中心に集約してきた。新型インフルエンザに備えて病床確保などを継続的に検討してきたため、患者の受け入れでは一般病院への協力要請もスムーズだった」

 ―第2波に向けた課題は何か。

 「第1波では集中治療室(ICU)での管理が必要な患者は2人おり、ICUに1人入るだけで人員体制など病院側の負担は相当大きかったと思う。高齢者や基礎疾患のある人の感染判明が遅れないよう、濃厚接触者には無症状でもPCR検査を早めにやることが必要だ。今後、第2波に備えて重症者向けの病床を中央以外の重点医療機関である日本海、公立置賜でも確保できるよう体制を整えていく。軽症者・無症状者向けの宿泊施設はまだ使用していないが、病床数は堅持したい」

 ―第1波を乗り切った中で見えてきた反省点は。

 「一つは相談体制だ。県内の感染は急速に増えた。不安に思う県民から受診相談コールセンターへの相談が殺到し、つながりにくい状態となった。開業医などからも不備を指摘され、現状の2回線を4回線に増やすことにした。二つ目は感染者や医療従事者への偏見、差別だ。感染者が加害者のように追及されるケースがあった。偏見や差別的な扱いは医療従事者やその家族にも及んだ。県民には病気の特徴をよく理解してもらい、県全体で差別、偏見をなくさなければならない」

 ―大蔵村の特別養護老人ホームではクラスター(感染者集団)が発生した。福祉施設で望ましい対応策は。

 「福祉施設内での感染予防策の徹底と、発生に備えた事業継続計画の策定が急務だ。3密(密閉、密集、密接)回避は大事だが、福祉現場で現実的に難しいのも事実。無症状期に人にうつさないよう職員らは常時マスクを着用し、手指消毒を徹底しなければならない。『お互いさま』の精神で、地域内の福祉施設同士で職員派遣を融通できる関係構築も重要。社会的な距離は保たなければならないが、『新しい生活様式』の中で人と人とのつながりを大切にする意識が求められる」
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